230151214 佐倉 杏子 純粋なる不器用
【杏子】 もうくたくただってのー
本来はバカンスの最中のマスター達 だが、先日の一件以来、 見回りをすることにしていた
今回は異族と遭遇してしまい 戦闘が終わって帰るところだった
お疲れ様、休憩がてら 海の家で何か食べてく? とマスターが提案する
【杏子】 本当か!? よーし、腹減ったから たくさん食うぞ
パ、パーッとはいかないけど… 少しだけだよ、とマスター
【杏子】 ちぇ、少しかよー
素直に文句を言う杏子に 苦笑いのマスター
でも、約束は約束だと マスターはちゃんと杏子とともに 海の家へと向かう
海の家まであと少しというところで ふとこの間のパーティーを 思い出すマスター
【杏子】 ん、もう海の家はすぐそこだぜ? どうかしたのか?
こちらの世界に慣れた様子の杏子 でも、来た当時はやっぱり不安だった? と問うマスター
【杏子】 うーん、そうだなぁ… ただ、
【杏子】 なんもわからないこっちに来て それでも知った顔があったのは なんだかんだ安心はしたな
杏子のいう、知った顔というのは まどか達のことだろう
【杏子】 あいつらの強さは 間違いないしな!
どことなく誇らしげに話す杏子に みんな大切な仲間なんだね と感想を述べるマスター
なんだか素直な杏子に いつもそうだといいな、と 少しいじわるを言うマスター
【杏子】 なんだとぉ~!?
怒ったポーズを取る杏子 だがそれはあくまでフリで すぐにふぅと息を吐く
【杏子】 マスターがいてくれるから だろうな
マスターとふたりだからだろうか とても素直な杏子に驚くマスター
【杏子】 お節介焼きの底なしのお人よし …だけど、そういうところに アタシは救われてるのかも
杏子の素直な思いは マスターとの絆を深める
その絆は新たな力 『純粋なる不器用』 となった
【杏子】 あーーーっ! 慣れないこと言っちまった!
【杏子】 今の、誰にも言うなよ!
一転して照れ隠しのように 悪態をつく杏子
そんな杏子が喜びそうなものを 海の家で注文するマスター
【杏子】 あ、それふたつな!
すかさず増量する杏子 まぁ今日くらいはいいか、と マスターは思ったのだが…
【杏子】 あ、そうだ
買ったクレープを受け取りながら 杏子はあちゃーという顔をする
【杏子】 マミにお茶会しようって 誘われてたんだった
それじゃあふたつは食べ過ぎだね? とマスター
【杏子】 うぐぐ…我慢するか…
【杏子】 じゃあ、これやるよ…
渋々という雰囲気で マスターにクレープを差し出す杏子
【杏子】 …まぁ、口止めの品ってことで
元はといえば自分が買ったのだけど と思いながらもマスターは クレープをありがたく受け取る
杏子と一緒に食べるクレープは きっとすごく美味しいだろう そう思うマスターだった
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