230201101 ピサール 入れない理由
マスターは、いい天気だからと ピサールを無理やり 海に連れてきていた
【ピサール】 あー、めんど~
仕方なく来た、という感じの ピサールだったが 実際に海を見ると…
【ピサール】 うっ…わ~! おっきい水風呂だ~
ピサールは 海を気に入ったようだったが…
【ピサール】 …でも、わたしは海に入るのは いっかな~ 疲れそうだし、面倒だし…
ピサールは 大勢の海水浴客でにぎわう海に 背を向けてしまう
マスターは せっかくだから行こう、と ピサールの手を取ったが…
ピサールの手に触れた瞬間 その熱さに、あっ…と驚いて 手を離してしまった
【ピサール】 もう、マスター…知ってるでしょ? わたしは灼熱の槍なんだって…
【ピサール】 まったく、これだけ日差しも暑いのに わたしの手を取ろうなんて…
ピサールはそう言いながら マスターに一瞬だけ触れられた手を じっと見つめ…
【ピサール】 あ、熱くなってきたから ちょっとだけ海で冷やすのも いいかな~
ピサールは顔を赤くすると ふいに歩き出した
【ピサール】 おお~…ひんやり~ きもちいい~
マスターも一緒に海に入るが やけに水が温かい気がして あれ…と首をかしげる
よく見ると、ピサールのいる辺りから 湯気が上がっている
【ピサール】 あ…
ピサールは周りのお客さんが 離れていくのを見つめ…
【ピサール】 …だから言ったでしょ わたしがいると面倒だって…
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