230281212 ヘレナ・D. plug・ロキ 波を吹き飛ばす風
【ヘレナ】 ただいま~
売店で、かき氷を買ってきたヘレナ
【ヘレナ】 1個、おまけしてもらったよ
得意の交渉術で、 ゲットしてきたようだ
【ヘレナ】 はい、先輩
マスターにかき氷を手渡す彼女
マスターは、 かき氷を食べる彼女の隣に腰掛け、 気に掛かっていることを尋ねてみた
なにか心配事でもあるの? その問いに、ヘレナが少し 驚いたような顔を見せる
【ヘレナ】 へぇ~
【ヘレナ】 先輩もなかなかの 観察眼だね、 ふふっ
【ヘレナ】 心配事か…そうだな…
【ヘレナ】 いつも、おまけしてくれる このビーチのおじさんやおばさん
【ヘレナ】 まけてもらおうと 話しているうちに、 けっこう仲良くなっちゃって
【ヘレナ】 だから…
【ヘレナ】 守ってあげたいなって
そう言う彼女に対し、 異族が来るの?と 尋ねるマスター
【ヘレナ】 この前、奴らが現れた時から、 ずっと様子を見てるけど… そろそろかなって
彼女の観察眼は本物だ 恐らく、異族が数日中に 現れるのだろう
そして、もう一つ
だからキミは、はしゃいでいたのか と、マスター
【ヘレナ】 まぁね、 戦いまでは全力で遊ぶ
【ヘレナ】 それがヘレナのモットーだから
飄々と語っているが、 その目には闘志が宿って見えた
数日後――
【ヘレナ】 !
【ヘレナ】 来たのっ!?
彼女の予測通り、 異族が現れたとの報せが入った
――が、
【ヘレナ】 まさか… そっちか!
異族の群れは、 彼女の予想外の方角から 現れたのだった
【ヘレナ】 あっちは売店の方角…
【ヘレナ】 おじさんやおばさんが…!
【ヘレナ】 絶対に守り切る!
マスターは、 彼女の強い意志に感動するが…
【ヘレナ】 じゃないと、 まけてもらえないからね、 くふっ
と、軽口をたたいて、 ヘレナは戦場へ駆けて行くのだった
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