230313213 カシウス・誓約・ウロボロス 誓宣『思索の海遊』
数日後――
【カシウス】 いただきます
あれ以来、『海の家』が 大のお気に入りになったカシウス
今日は、隊のみんなと 一緒に訪れている
【カシウス】 うん、美味しい
焼きそばにイカ焼きにカレーライス、 ラーメン、焼きとうもろこしを 姫達と一緒に食べる彼女
ふと、こんな言葉が口をついて出た
【カシウス】 また…ワクワクしている
【カシウス】 みんなで一緒に ご飯を食べることはよくあるのに、 どうして……?
笑顔で答えるマスター それはきっと『特別感』だよ
【カシウス】 ……特別感?
【カシウス】 そう……
【カシウス】 夏のリゾート地で、 みんなと一緒に作る… そういう特別な思い出
【カシウス】 非日常から来るワクワク
【カシウス】 ありがとう、御館様 こんな素晴らしい時間を与えてくれて
【カシウス】 万物は流転する 人も自然も、時は平等に刻まれていく
【カシウス】 だからこそ、これから もっともっと…
【カシウス】 みんなと一緒に、 色んな思い出を作りたい
【カシウス】 心の中でずっと色褪せない… 久遠の思い出を
その心の変化が、 彼女にまた新たな力 誓宣『思索の海遊』を授けていた
数時間後――
【カシウス】 ねぇ、御館様
海の家での食事を終えたカシウスは、 プールサイドでマスターと語っていた
【カシウス】 わたしはずっと… 『不変』を求めていた
【カシウス】 でも、たまには… こんな変則の時間も、 いいなと思った
【カシウス】 『いつもとは違う』というのは、 心にワクワクをくれるから
【カシウス】 そのワクワクをくれるのは… 御館様、あなたよ
【カシウス】 大事なことだから、もう一度伝えるね
【カシウス】 最高のワクワクを…ありがとう
【カシウス】 わたしの気持ち、伝わった?
マスターの顔を覗き込む彼女
【カシウス】 ……?
しかしマスターは、 こちらを見ずに前を向いている 彼女は、寂しげに尋ねる
【カシウス】 御館様、どうして 目を合わせてくれないの…?
恥ずかし気に答えるマスター だって君も…『いつもと違う』 魅力を放っているから
【カシウス】 ……え?
それは彼女の心の成長のせいか、 真夏の太陽のせいか……
マスターには、 彼女がいつになく 素敵に見えていた
【カシウス】 …そうっ…ふふっ♪
微笑む彼女
見つめたプールの水面は、 気のせいかいつもよりキラキラと 輝いているようだった
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