230341213 グランテピエ・獣刻・バハムート 理砕『陰影の先駆者』
あれから数日後――
プールサイドに置かれた椅子に、 グランテピエの姿は無かった…
なぜなら……
【グランテピエ】 私も楽しんじゃうよ♪
彼女は他の姫同様、 泳いだり、肌を焼いたり、 トロピカルドリンクを飲んだり…
しているのかと思いきや、
【グランテピエ】 ほらほら、気をつけてね 羽目を外し過ぎちゃダメ、だよ
プールにこそ入っているが、 やっぱり心配で 姫達を見守っていた
相変わらずだね そんな彼女に声を掛けるマスター
【グランテピエ】 そうかな? 私、変わったよ
【グランテピエ】 人に頼ることが、 誰かを救えることもあるって そう気づけたからね
【グランテピエ】 みんなのことが気になるのは 性分だから仕方ないけれど、 今は私もみんなに頼ってる
【グランテピエ】 そしたら、ね
【グランテピエ】 みんなとの距離がもっと 縮まったように感じるんだ
【グランテピエ】 家族みたいに信頼し合えてる っていうのかな? お互いに支え合えるようになったの
【グランテピエ】 そんな、みんなの優しさに 私も力をもらってる これって、すごいことだよね
頼られることで自信をつけた姫達
頼り、頼られるという 姫達との相互関係により、
グランテピエは、 更なる力を得たのだった
【グランテピエ】 だからさ、君も もっと頼っていいんだよ
【グランテピエ】 一方的じゃなくて、 想い合うことで絆は強くなる、から
優しく力強い瞳を見せる彼女を見て、 嬉しくなるマスター
【グランテピエ】 でも…… 一つだけ心配なことがあるの
なに? 尋ねると、彼女はこう答えた
【グランテピエ】 君が私に構ってくれるのは とても嬉しいけれど、
【グランテピエ】 なんだか、みんなに 悪い気持ちになっちゃう、かな
【グランテピエ】 君は人気者なんだから、 そういうの気にしないとダメ、だぞ? お姉さん、心配だなぁ…
どこまでも目が行き届いていて、 面倒見のいいグランテピエ
そんな優しい彼女を、 愛しく思うマスターだった
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