231051111 限定クエスト ダンジョンのない世界で出会った冒険者 ダンジョンのない世界で出会った冒険者 ストーリークエスト ダンジョンのない世界で出会った冒険者 前編 2 - ダンジョンのない世界で出会った冒険者 1話 ダンジョンのない世界で出会った冒険者 1話 ダンジョンのない世界で出会った冒険者 1話 戦闘前
マスターとアルマス達は いつもと同じように 敵兵との戦闘を繰り広げていた
【アルマス】 はあああああっ！
【ケイオスリオン兵】
ぐはぁっ！
だが、その日は いつもと違っていた――
【？？？】 ブオオオオオオオッ！
【アルマス】 な、何！？
今までアルマスが戦っていた 兵士達を薙ぎ払いながら 巨躯の化け物が突進してきたのだ
【？？？】 オオオオオオオオオオオオオッ！
【アルマス】 くっ！
突進をすんでのところで 躱すことができたアルマスだが 相手はくるりと向きを変え…
化け物はアルマスへ向けて 強引に一撃を放つ
アルマスとは離れているため マスターの手も届かない
【アルマス】 防御が間に合わな――
不意を突かれたアルマスは 避けることも防ぐこともかなわない…
だが、その攻撃は弾かれていた
【？？？】 …………
【アルマス】 ……へ？
アルマスと化け物の間に 女性がひとり、立っていた
【アルマス】 あ、ありがとう 助かったわ…って あなた…誰？
【？？？】 気を付けて 次が来る
【？？？】 ブオオオ……オオッ！
化け物は態勢を立て直し アルマスの前に立った女性に 攻撃を仕掛けるが…
【？？？】 はあああああっ！
その攻撃は 疾風のような速さで現れた もうひとりの女性に阻まれる
【？？？】 クラネルさん、あなたは そこの方をカバーして 差し上げてください
【？？？】 は、はい！
指示をされた少年が マスターに近づく
【？？？】 あの、大丈夫ですか？
突然のことに面食らうマスター なんとか、大丈夫という一言を 絞り出して返す
【？？？】 ミノタウロスはあのふたりが なんとかしてくれる… キミはここを離れたほうがいい
気付くと、かわいらしい少女が マスターのそばに立っていた
それは、マスター達が 神を名乗る少女と冒険者達に 出会った瞬間だった
【？？？】 いやぁ～危ないところだったねぇ 感謝してくれよ、キミ達！
【？？？】 神様は何もしてないような…
【？？？】 細かいことは気にしない！
【？？？】 現状において何もできないのは クラネルさんも同じですけれど…
【？？？】 うぅ…はい
【アルマス】 助けてもらってなんだけど あなた達…何者なの？
【？？？】 この神威を感じない？ ってことは本当に違う世界に 来ちゃったんだねぇボク達
【アルマス】 神威…？
【？？？】 えーっと、どこから説明すれば いいのかわかりませんけど こちらの方は神様なんです
【アルマス】 はぁ！？ 神ですって！？
【ティターニア】 待ってください、アルマス 私達を助けてくれたということは 少なくとも敵ではないと思います
【ヘスティア】
ボクはヘスティア！
そしてそこにいるのがボクの眷族
ベル・クラネルだ
【ベル】 よろしくお願いします えぇと…
【アルマス】 私はアルマスよ、よろしくね それでこっちはティニ
【ティターニア】 アルマス、説明が雑ですよ ティターニアです よろしくお願いしますね
【ヘスティア】
うわっ
なんかちっこいのが出てきた！
【ベル】 そしてそちらにいるのが…
【リュー】
リュー・リオンと申します
以後お見知りおきを
【アイズ】
アイズ・ヴァレンシュタイン
アイズでいい
【アルマス】 ヘスティアにベルに リュー…アイズね さっきは助かったわ
自己紹介もそこそこに マスターは気になることを ヘスティア達に尋ねる
【ヘスティア】
ああ、ボク達が
違う世界から来たって話？
それは…ってそうだ！
【ヘスティア】
ベル君！
ちょっとこっち来て！
【ベル】 え、ええっ！ まだ話の途中ですよ神様！？
【ヘスティア】
いいから来る！
ヘスティアに引きずられていくベル 話をするのは残ったふたりに 託されたようだが…
【アイズ】
…………
【アルマス】 ？
【リュー】
このままでは話が進みませんので
私が説明させていただきます
リューによると、彼女達は 元の世界では 冒険者というものであるらしい
ただ、ヘスティアだけは 神なのだという
だが、突然見知らぬ土地にいて 戻り方がわからず 困っていたのだという
【アイズ】
それで…ミノタウロスを
見つけて追ってきたの
【リュー】
ダンジョンの罠であれば
見知ったモンスターである
ミノタウロスを倒せば
【リュー】
きっと帰れるかもしれない
…私達はそう考えたのです
【アイズ】
でも…あなたはダンジョンに
いなかった
【リュー】
…ええ、なのでこれが
一体どういうことなのか
私達にもわからないという状況です
【リュー】
ただ、今はとにかく
ミノタウロスを倒してみるしか
戻る方法が思い当たりません
【アルマス】 なるほどね よくわかったわ
【ティターニア】 …アルマス 無理しなくていいんですよ わからないならわからないって…
【アルマス】 ティニ、余計なこと言わない！
それにしてもあの化け物… ミノタウロスは自分達にとっても 危険だ、とマスターが考えていると…
【ヘスティア】
あれ？
おかしいなぁ…
ヘスティアのつぶやきにマスター達が 振り向くと、ヘスティアが ベルの背中をあらわにしていた
【アルマス】 ちょ、ちょっと！ こんなところで何やってるのよ！？
慌てて目を逸らすアルマス マスターもまた気まずい様子で 何をしているのかと尋ねる
【ヘスティア】
ベル君のステイタスは
正常に残ったままなのに…
【アルマス】 訳わからないんだけど！ だから何してるのよ！
【アイズ】
ステイタスの確認…
【リュー】
私達の世界では、神が眷族の能力を
確認するため、体の一部に刻まれた
神聖文字を読むのですが…
【ベル】 いつも通りに体が動かなかったのは ステイタスに問題あったわけじゃない ってことですか？
【ヘスティア】
うん…。もしかしたら変なスキルでも
付いたんじゃないじゃないかって
思ったんだけど…
【ティターニア】 もしかすると、 この世界に来た影響かもしれません バイブスやキラーズに作用して…
【リュー】
世界が違えば、
神の力の影響も異なる…
考えられなくもない
【ヘスティア】
ヘスティアナイフも
失くしちゃうし…もうベル君には
無茶はさせられないよ…
【アルマス】 ヘスティアナイフ？ それがベルの武器なの？
【ベル】 はい…へファイストス様という 神様に作っていただいたナイフです
【ベル】 それがミノタウロスとの戦闘中に 失くしてしまいまして…
【ティターニア】 神の作った武器… それも鍵のひとつかも しれないですね
【アイズ】
鍵…？
あのナイフにそこまでの
力があるとは思わなかったけど
【アルマス】 でも、そのナイフって 大切なものなんでしょ？ どっちにしたって取り返さないと
【リュー】
では、クラネルさんのナイフを
探すこともミノタウロス退治と
同じように重要度を上げましょう
【ヘスティア】
うわーん、ボクのベル君が
こんなことになっちゃうなんて…
【ヘスティア】
危ないからベル君は絶対に
戦ったりしちゃダメだからね！
【ベル】 ですが神様…
【ヘスティア】
ダーメ！
絶対にダメ！
【アイズ】
戦闘は私にまかせて
【リュー】
そうですね
この場においては仕方ありません
【ベル】 うぅ…はい
マスターとヘスティア達が そんな会話をしていると 大きな足音が聞こえてくる
【ヘスティア】
はっ！
さっき逃げたミノタウロス！？
【アルマス】 違うわ これは私達に聞き覚えがあるヤツ
さきほどマスター達が戦っていた 兵士達の増援が来てしまったようだ
【ヘスティア】
どうやらここはボクの出番だね
【アイズ】
…神が戦うの？
【ヘスティア】
戦わない
【アルマス】 きっぱり言うわね じゃあ出番ってどうするの？
【ヘスティア】
ここはボク達の世界でも
ダンジョンの中でもない…
【ヘスティア】
なら、ボクが手伝っても
問題はないってこと！
【ヘスティア】
むしゃくしゃしてるんだ
援護はボクに任せて
アイツらをぶちのめしちゃって！
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