240012202 アルテミス 熱い視線の行方
【アルテミス】
………
【アルテミス】
そこ、少しはしゃぎ過ぎですよ
その後も、姫たちの動向に 目を光らせているアルテミス
そんな彼女に、 マスターは気になることを 尋ねてみる
【アルテミス】
どうして、
ここまで徹底するのか…
ですか？
【アルテミス】
………
少し考えた後、 彼女が口を開いた
【アルテミス】
マスターもご存じの通り、
ブラックキラーズの一人である
私が背負った業は…
【アルテミス】
『色欲』
【アルテミス】
こういった場所に来ると…
どうしても思わずにはいられない
ことがあるのです
【アルテミス】
それは…
【アルテミス】
夏の男と女の目的は…
“性愛”
であるということ
【アルテミス】
本物の“愛”ではありません
【アルテミス】
それなのに、
みんな“愛”なんて言葉を
平気で口にしている…
【アルテミス】
心の本質にある“色欲”を隠し…
愛なんて言葉で誤魔化している
【アルテミス】
仲間のキラープリンセスたちにも、
そんな欲に
溺れるようになって欲しくない…
【アルテミス】
だからどうしても、
厳しく目を光らせてしまうのです
“色欲”という背負った業ゆえ、 人一倍 夏という浮ついた季節に 思うところがあるようだ
そんな彼女に対し、マスターは…
そういう人もいるかも知れないけど、 そんな人ばかりじゃないと思うよ
中には、 本物の愛を燃やしている人も いると思うけどな
【アルテミス】
…本当に……そうでしょうか
きみがそんな風に言うのは、 もしかして…
【アルテミス】
…！
【アルテミス】
私が…羨しがっている…？
【アルテミス】
なにをバカな…！
燃えるような想いを爆発させたい… きみの中に、そういう思いが あるからじゃない？
【アルテミス】
わ、私はそのような、
不埒な女では…！
【アルテミス】
………
反論しかけて、一瞬止まる彼女
そして…
【アルテミス】
私は過去…
かの黒奏官の元にいました…
【アルテミス】
そこではただ事務的に
任務をこなしてきました…
【アルテミス】
自分の想いを
表に出すことなんて…
なかった……
【アルテミス】
わ、私は…
【アルテミス】
表に出すことを許されなかった
熱情を…
出したがってる…？
【アルテミス】
素直に出せる人たちが…
羨ましいだけ…？
思い悩む彼女に、 マスターは声を掛ける
とにかくさ、 難しく考えないで 夏を楽しんじゃえば？
【アルテミス】
……た、楽しめと言われましても…
ど、どうようにすれば良いのか…
と、マスターに尋ねた時、 招かざる客が現れた
【アルテミス】
…！
【アルテミス】
…異族
【アルテミス】
このような場所にまで現れるとは
彼女がいつもの冷徹な目に戻った
【アルテミス】
マスター…
【アルテミス】
考えるのは、
奴らを駆逐してからにします
そう言って、 彼女が弓を取り出した
Next: 240012203