240012203 アルテミス 『黒式・紅月下ノ暴風』
【アルテミス】
はぁぁぁぁっ！！
それは、いつものクールな 彼女らしからぬ戦い方だった
【アルテミス】
“色欲”の業を背負った私が…
欲に負け、想いを爆発させるなど、
あってはならぬこと
【アルテミス】
……でも…
でも、私は……！
弓を放つ彼女
だが、いつもの冷静さがないため 矢は敵を逸れていく
【アルテミス】
…くっ！
【アルテミス】
私は…
一体どうすれば……
その時、 マスターの叫び声が こだました
きみの熱情を！ 想いを矢に乗せて放て！
【アルテミス】
…！
【アルテミス】
想いを…矢に…
【アルテミス】
私の…心の内にある…
熱い想い…
それは…！
【アルテミス】
はぁぁぁぁっ！！
【アルテミス】
行けっ！
『黒式・紅月下ノ暴風』！！
光と共に放たれる矢
それはとてつもない速度で プールの水を切り裂き、 敵に命中する！
新たな力を手に入れた彼女は、 そのまま敵を一掃するのだった
【アルテミス】
はぁ…はぁ…
【アルテミス】
私の中にもありました…
心に燃える…
熱き想いが……
【アルテミス】
それは…あなたと同じ
世界を光に導きたいという気持ち
【アルテミス】
それだったら私も…
爆発させられるような気がします
【アルテミス】
黒奏官時代は無理だったけど…
あなたの元でなら、
熱く燃やせそうな気がするのです
興奮しているなんて、めずらしいね？ 笑って尋ねるマスター
【アルテミス】
…！
【アルテミス】
確かに…
【アルテミス】
こんなことをペラペラ話すなんて…
夏という季節が、
そうさせているのでしょうか
彼女が微笑む
…と、
【アルテミス】
ひゃっ！
マスターが彼女の頬に、 冷えたドリンクを当てた
【アルテミス】
な、なにをするんです！？
ま、難しいことはいいから飲んだら？ きみの言う通り…
夏なんだし
【アルテミス】
…！
アルコール入りのドリンクを見て、 心が揺れる彼女
【アルテミス】
わ、私は……
しばらく考え、 彼女が出した答えは…
【アルテミス】
…い、いけません！
【アルテミス】
そのような優しさは…
私には不要です！
【アルテミス】
だって、一度受け入れてしまうと…
自分がどうなってしまうのか怖くて…
まるで煩悩を振り払うかのように、 バッと黒い髪をなびかせ、 彼女が空を見上げる
【アルテミス】
…！…あ
さっきまでの曇天からは一変 そこには…
【アルテミス】
満月……
夜空を見つめる彼女の瞳は、 満月のようにキラキラと輝き…
また、その奥には
夏の夜のような熱情が 潜んでいるようで、 とても艶めかしく見えた お願いいたします。
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