240051104 与一 『神聖プール王国の誓い』
――翌日
与一とマスターは 昨日の稽古の復習のため 再びプールへと来ていた
【与一】 他のお客に当たらないよう 気をつけて…えい!
与一は楽しそうに マスターへボールを投げ続ける
【与一】 えへへ、マスター、 いきますよ!
もう何度目になるのか、 与一が再びボールを投げる
…が、ボールが 高く投げ放たれると同時に 強く風が吹いた
このままではどこかに流される そう思われたが――
風に乗ったボールはすとんと マスターの手に収まった
【与一】 えへへ、どうですか、マスター びっくりしました?
どうやら風が吹くことを 与一は計算していたようだ
与一、昨日よりすごくなってない? そう驚くマスターに与一は 照れた笑いを浮かべた
【与一】 実は…あの後、 こっそりボールを投げる 練習をしてたんです
【与一】 そこで身につけた新しいスキルが この『神聖プール王国の誓い』です
【与一】 今ならきっと どんな風が吹いても大丈夫…
【与一】 どんな時でもマスターと この稽古ができますよ!
与一はどこまでも真面目だなぁ、 とマスターは与一を褒める
【与一】 えへへ ありがとうございます!
【与一】 でも、これもマスターの おかげで出来た技なんですよ?
与一の言葉に あの後はなにもしていない、と マスターは戸惑う
【与一】 でも、マスターのおかげなんです だってこれは…
【与一】 どんな状況でもマスターに ボールを受け取ってもらうため 編み出した技なんですから!
【与一】 与一のことを信じてくれる マスターのためにも…
【与一】 与一はいつだって 百発百中であり続けます!
そう言って笑う与一の表情は、 どこまでも輝いて見えた
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