240192211 フェイルノート・誓約・ルシファー グラマラス弱者
強い日差しが照り付ける夏の海岸――
【フェイルノート】 ……ふぅ
【フェイルノート】 これで全部かしら…?
異族の群れと対峙した フェイルノートが、 威勢よく啖呵を切る
【フェイルノート】 私の知恵で道を示し、 ルシファーの力で勝利を掴むの
【フェイルノート】 それがフェイルノート・ 誓約(コール)・ ルシファーの王道よ
【フェイルノート】 弱者が怯え続ける世界はもう終わり 強者として、みんな 私が守ってあげるわ!
時はそこから遡る事、数時間前――
リゾート地に遊びに来たマスターの隊
姫達は皆、それぞれに バカンスを満喫している
そんな中、いつも強気な フェイルノートはと言えば……
【フェイルノート】 強者たるもの、 いかなる時も輝きを 失ってはならない…
【フェイルノート】 行くわよ!
いつも通りの強気発言で、 姫達との遠泳対決を制していた
【フェイルノート】 はぁ…はぁ…どう!?
【フェイルノート】 僅かな海流の強弱を読み、 波の推進力を使用する
【フェイルノート】 泳ぎはただの体力勝負ではないこと よくわかったでしょう?
姫達に威張って見せる フェイルノート
そんな彼女に、 すごいね、 とマスターが声を掛ける
……しかし
【フェイルノート】 ……気に入らない
そう呟く彼女にマスターは尋ねる どうして?圧勝だったのに
【フェイルノート】 確かに遠泳では私が勝ったわ
【フェイルノート】 でも……
海岸に目をやる彼女 そこには……
アハハハハハハ!
……と、 グラマラスなバディを揺らして、 闊歩する姫達の姿が
【フェイルノート】 ……チッ
今、聞こえないくらいの音で 舌打ちした…? と、恐る恐る尋ねるマスター
【フェイルノート】 ……誰が 『グラマラス弱者』ですって?
言ってないよ! 慌てて首を横に振るマスター
【フェイルノート】 ふん、 いかなる強者を前にしても 敗北なんか認めない
【フェイルノート】 それがルシファーと誓約した 私の信念よ!!
そんな大袈裟な、 別に強がらなくてもいいんだよ …と、呟くマスター
【フェイルノート】 ……強がり?
怒りの眼差しを向ける彼女に、 マスターは言う
無駄がないスリムボディと考えたら? 無駄がないことが良いことも あるはずだよ…と
【フェイルノート】 ……ほぉ?
【フェイルノート】 『無駄がない』とは、いい度胸ね…? お前様……
【フェイルノート】 謀殺するわよ
良かれと思って言った言葉が、 相手を逆撫でしてしまい、 必死に謝るマスター
【フェイルノート】 ……はぁ
【フェイルノート】 …とは言え、 お前様に当たっても仕方ないわね
【フェイルノート】 ちょっと一人になりたいから、 放っておいてくれるかしら
真っ青な夏の空と違い、 彼女の心は晴れないようだった
Next: 240192212