250022202 フライクーゲル アンニュイは誰のせい?
あれから数時間が経過した
辺りはすっかり暗くなり、 プールサイドは淡い ライトに照らされている
【フライクーゲル】 ………
マスターは、 また一人で佇む フライクーゲルを発見した
【フライクーゲル】 ………
「なにやってるの?」 プールに落とされないよう 警戒しつつも、彼女に声を掛ける
【フライクーゲル】 ……マスターか
「隣、いい…?」 恐る恐る尋ねるマスター
【フライクーゲル】 …オーケー
その言葉に甘え、 彼女の隣に腰掛けるマスター
【フライクーゲル】 ………
憂鬱そうな彼女に、 「本当にどうしたの?なにか悩みが あったら聞くよ」と、声を掛ける
【フライクーゲル】 ……悩み…か
【フライクーゲル】 なんだろうね? よく分かんないけど…
【フライクーゲル】 モヤモヤしちゃうんだよ…
【フライクーゲル】 マスターのそばにいると
そう言って、膝に顔をうずめる彼女
「どうして?」 と、尋ねても…
【フライクーゲル】 アイ・ドン・ノウ…
【フライクーゲル】 その答えが全然わかんないから、 モヤモヤしてんじゃん
【フライクーゲル】 ひとつだけ分かってることと言えば、 なんだかモヤモヤするから… イライラするから…
【フライクーゲル】 腹が立ってくるから… マスターの顔を見ると ついイジメたくなっちゃうってこと
「なに、それ!?」 ツッコむマスター
【フライクーゲル】 さっきも言ったけど… わたしは背負った業のせいで、 つい人の不幸が見たくなっちゃう
【フライクーゲル】 特に最近は…… マスターをそういう目に 遭わせたくて…
【フライクーゲル】 なんでだろうね? 一番の恩人にこんなさ…
そんな恩知らずの “傲慢”すぎる自分に、 モヤモヤしちゃうんだよ
苦しそうに心の内を吐露する彼女
【フライクーゲル】 解決策も見つかんないし… 夏はバカみたいに暑いし…
【フライクーゲル】 とにかくイライラしっ放しなんだ
言葉通りイラついた顔で語る彼女
どうにかしてあげたいが、 イライラの原因が分からないので、 アドバイスのしようがない
【フライクーゲル】 ま、夏が終われば こんな想いも消えんのかな…?
プールに足をつけ、 彼女が物憂げに天を仰いだ
…と、そこに
【フライクーゲル】 …!
【異族】 グギャギャ!
数体の異族が出現
【フライクーゲル】 あ!
今にもプールサイドにいる 若い男女を襲おうとしている
【フライクーゲル】 ハハ! 他者の不幸は蜜の味… イエーイ!
とか言っている彼女に、 「助けないと!」 と叫ぶマスター
【フライクーゲル】 ま、そうだよね
【フライクーゲル】 マスターならそう言うと思ったよ その願いを断ったら…
【フライクーゲル】 マスターはさぞグリィフで、
【フライクーゲル】 サァッドに満ちた 気持ちになるんだろうね
ニヤリと悪い笑顔を見せる彼女
【フライクーゲル】 でも、ま… キル姫として、 ここはバトルだよね!
【フライクーゲル】 いっくよぉぉぉぉぉ!
そう叫び、異族に向かって、 突進していくのだった
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