250161104 フラベルム 『海浜ビーチ帝国の誇り』
再び砂浜に来るよう フラベルムに言われたマスター
【フラベルム】
ふふ、ちゃんと来ましたね
わたくし、待っていたのですよ？
二人で砂浜の上に座り 目の前に広がった海を眺める
【フラベルム】
あの日はその、ありがとう…
わたくしを連れて行ってくれて
いい経験ができましたわ…
海を見つめたまま話す彼女に 海は楽しかったかと尋ねる
【フラベルム】
そうですね…
ワイワイがやがやと
落ち着きのない場所というのは
【フラベルム】
小うるさい愚者達の
好む場所だと思っていましたが…
存外、悪くないものですね
頬を緩ませる彼女であったが その表情がスッと曇る
【フラベルム】
今まで、わたくしは
自分から人を遠ざけて生きてきて
そのせいでしょうね…
【フラベルム】
普通の人らしい楽しみの良さを
分かろうともしてこなかった…
【フラベルム】
そんなわたくしに
普通の楽しさというものを
教えてくれたマスターには…
【フラベルム】
とても感謝しています…
改めて、ありがとうございます！
そう言って頭を下げ マスターを見つめた彼女の顔は にっこりと笑っていた
【フラベルム】
どうやら…あなたの穢れに
心が染まってしまったようです…
なんと始末の悪い…
これからも彼女は 知らないことを知っていき 成長の階段を上っていく
その一段目を上った彼女は 新スキル『海浜ビーチ帝国の誇り』 を身に着けていた
【フラベルム】
これからも色んな場所に
わたくしを連れ出してくれると
助かります…
【フラベルム】
ひとりではきっと、無理ですから…
彼女の白く細い手が マスターの手に軽く重ねられ それを握り返すマスター
【フラベルム】
ですが…
自分の身分だけは
【フラベルム】
お忘れないよう…
いつもの調子で言う彼女だが いつもよりも穏やかな笑顔を浮かべ その瞳が水面の光で輝いていた
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