250171104 グリモワール 『海浜ビーチ帝国の誇り』
あれから数日後― マスターは再び グリモワールを海に誘っていた
せっかくだから海に入ろうと 声をかけるマスター
【グリモワール】 そ、そうね… でも、前みたいに、 また波にのまれたら…
【グリモワール】 …いいえ、なんでもないわ! さぁ、行くわよ!
波打ち際に近づくごとに グリモワールの表情が硬くなっていく
【グリモワール】 う…ずいぶん波打ってるわね…
【グリモワール】 そ、そんな心配そうな顔しなくても べ、別に怖がってないわよ!
自分は怖いから ゆっくり入りたいんだけど… マスターはわざと弱気な提案をする
【グリモワール】 そうなの…海が怖いなんてダメね! しかたないから 手をつないであげる!行くわよ―
【グリモワール】 あっ…冷たい… …ふふ、意外と怖くないじゃない
【グリモワール】 あ…ワタシのことじゃないわよ! マスターの話! 怖がることないって言いたかったの!
それなら、もう手を離して 思いっきり遊ぼう マスターは提案する
【グリモワール】 そ、それは…ちょっと待って まだ手は離さないで…
なにがあっても絶対に助けるから 笑顔で答えるマスター
【グリモワール】 ふぅん…助けてくれるんだ? 例えば、大きな波が来ても?
【グリモワール】 そうそう、ちょうどあんな感じの…
【グリモワール】 …って、本当に大波が来ちゃった!?
背中に隠れて! と、マスターが グリモワールをかばおうと動く
【グリモワール】 …マスター、平気よ 二度も同じ失敗はしないわ
【グリモワール】 ワタシはこの前の失敗で学んだのよ! 見せてあげるわ…新魔術! 『海浜ビーチ帝国の誇り』!
グリモワールの魔術は 二人を包みこみ 波からその身を守ってくれた
すごいね、とマスターが褒めると グリモワールも得意げな表情を返した
【グリモワール】 あたり前でしょ! ワタシを誰だと思っているの!
【グリモワール】 で、でもね…その… さっきは守ってくれようとして… …ありがと
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