277006181 海上編 ストーリー2021年7月 サマーメモリー・プレッジ篇Ⅵ 第3幕「ひと夏の残火の誓い」戦闘前
ティルフィングは異族との戦いを 終えると、マスターに駆け寄る
【ティルフィング】
マスター、大丈夫ですか？
マスターはティルフィングに 助けられたお礼を伝え、どうして あの瞬間に出てきたのかをたずねる
【ティルフィング】
マスターの息遣いを聞いていたので
立ち止まったのがわかったんです
間に合ってよかった…
息遣い？ と、マスターは不思議に 思って聞き返す
【ティルフィング】
集中すれば聞こえます
静かな場所なら心臓の音だって…
【ティルフィング】
あ、あの、すみません…
これってご迷惑でしょうか？
そのおかげで助かったし、全然だよ キル姫ってすごいんだね と、マスターはただ感心した
【ティルフィング】
そうですか？
よかったです、ふふっ…
ティルフィングの優しい笑顔が 赤く照らされる 気がつけば夜が明けていた
【ティルフィング】
わぁ…
綺麗な朝焼けですね…
マスターは朝焼けに眼を細める ティルフィングの横顔を見ていた それは朝焼けよりも美しかった
ふと、ティルフィングが マスターに視線を向ける
【ティルフィング】
マスター…
どうしたんですか？
心臓の音が早くなってますよ？
それはティルフィングの 横顔が綺麗すぎるから… と、マスターは正直に伝える
【ティルフィング】
は、恥ずかしいです…
でも、すごく嬉しいです…
そんな風に思ってもらえるなんて
【ティルフィング】
あの、明るくなりましたし、
みんなを呼びに戻りましょうか？
うん、火薬があるといいね と、マスターとティルフィングは 歩き出した
【アルマス】
ティルフィング！
マスター！
もう、どこ行ってたのよ！
【イージス】
変な声も聞こえたし、二人とも
異族に食べられたんじゃないかって
心配したんだぞ！
【盤古】
ん…もう、朝か
我は、まだ眠いぞ…
【グランテピエ】
とにかく二人とも無事でよかった
でも、無理はしちゃダメだよ
できれば頼ってほしかったな
【ティルフィング】
すみません…
突然のことだったので…
【ティルフィング】
その建物が花火職人さんの
住んでいた家だと思うんです
なぜか異族が集まってたんですが…
【グランテピエ】
もしかしたら…
特殊な火薬になにかを
感じたのかもしれないね
【ティルフィング】
異族達は床下を気にしていました
探してみましょう
建物に戻り、 ティルフィングが床板を開けると 小さな壺が見つかった
なかには黒い粉が入っている
【ティルフィング】
…これが黒色火薬ですか？
【グランテピエ】
うん、そうだね
だけど量が少ない、かな
これだと二本しか作れないと思う
【アルマス】
あっただけでもラッキーよ
二本あれば誓約できるのよね？
【ティルフィング】
はい、そうですね！
【グランテピエ】
それじゃ、マスターに
線香花火の作り方を教えるね
一緒にやってみようか
【アルマス】
それで試練の方はどうなの？
花火が完成したから終わり？
【イージス】
ふむ…
これはあくまで私見なんだが…
【イージス】
ティルフィングと隊長の間に
これまでと違う雰囲気を感じるんだ
なにかあったのか？
【グランテピエ】
そうだね…
二人はどう感じてるの？
深い絆はできた？
【ティルフィング】
私は…そう思います
マスターを信じ、守りたいと思う
気持ちはより強くなりましたから…
ティルフィングに特別なものを 感じることは確かだよ と、マスターもこたえる
【グランテピエ】
そっか…
じゃ、戻ろうか
カシウスに確かめてもらおう
再び断崖絶壁を乗り越えながら ビーチに戻ると、 もう昼になっていた
【フェイルノート】
お前様、遅かったじゃない
これ、渡しておくわね
フェイルノートはマスターに 修理されたデバイスを手渡す
【ムー】 さっきまで、 フェイルノートの姉ちゃんと デバイスの量産化をしてたんだ
【グランテピエ】
それで今までいなかったんだね
【ムー】 他にもこのデバイスが 欲しいってやつがいたら 言ってくれよな
【フェイルノート】
言っておくけど、
お互いがデバイスを持ってる
だけじゃ繋がらないからね
【フェイルノート】
IDの交換が必要だから
私と繋がりたいなら
言いなさい
【フェイルノート】
あとでID交換してあげるわ
それじゃ、また後でね
【カシウス】
お館様、
おかえりなさい…
カシウスはマスターと ティルフィングをじっと見つめる
【カシウス】
そう…
あなた達は資格を得たのね…
お館様、誓詞印紙を出して？
カシウスは誓詞印紙を手に取ると どこからか取り出したペンで 誓詞印紙の内容を書き換えていく
【カシウス】
これは『ひと夏の残火の誓い
（スパークルエンバー）』…
お館様と私達キル姫を繋ぐ誓約書よ
【カシウス】
あとは線香花火で
想い出を紡ぐだけ…
【カシウス】
闇に火花を散らす時間まで
まだ時間があるわ
【カシウス】
ティルフィング、お館様…
それにみんなも…
【カシウス】
誓約を交わすということが
どういう意味なのか…
思考を巡らせておくべきね
【ティファレト】
あら、アルマス…
グランテピエと一緒では？
【アルマス】
お姉ちゃんはフェイルノートに
デバイスのことで相談があるって
呼び出されてたわ
【ティファレト】
そうですか…
いろいろ聞きましたよ
大変だったようですね
【アルマス】
ねえ、ティファレト…
あの誓詞印紙…じゃなくて、
『ひと夏の残火の誓い』だっけ？
【アルマス】
あれってこの世に一枚しかないの？
同じように試練を超えた二人なら
その誓約書は作れるの？
【ティファレト】
そうですね…
おそらく同じ手順を踏めば
同じものが作れるでしょう
【ティファレト】
ですが、誓約は魂を分け合うもの…
一度誓約を終えた相手との
やり直しは難しいと思いますよ？
【アルマス】
そうよね…
ありがとう、ティファレト！
【ティファレト】
私も…
アルマスと同じ気持ちですから…
【アルマス】
え？
じゃあ…
【ティファレト】
ふふふっ…
では、参りましょう
ですが、その前に…
【異族】
グギギッ！！
【ティファレト】
ビーチの安全を守らなくては
いけませんね
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