Phantom of the Kill

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28001031 海上編 ストーリー2018年7月 パラディーゾ再生篇Ⅰ 第3幕「密会のブラック」戦闘前

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【グラトニー】 落ち着いて考えるために、ここまで 連れ去ってきたけれど… どうしようか、グリード?

【グリード】 アナタが私に尋ねるなんて珍しいこと もあるものね… まあ、気持ちは分かるわ

【グラトニー】 フライシュッツが言っていたことは 本当なのかな?

【グリード】 それを確かめる術は一つしかない 実際に試してみるのよ

【グラトニー】 マスターの気持ちをボク自身に 向けさせるわけだね

【グリード】 私自身に向けさせるのよ 私のものを横取りしようとしないで

【グラトニー】 おかしいな マスターを支配する者の指定なんて 命令にはなかったはずだよ

【グリード】 何が言いたいの、グラトニー

【グラトニー】 ボクが全て平らげても良いはず だってことだよ

【グリード】 …いいわ お互い、好きにしましょう

【グラトニー】 ボクは理想のために全力を尽くすよ 君よりもずっと上手くやれるからね

【グリード】 その自信が潰れてしまわなければ 良いけれど

【グリード】 そんなわけだから、マスター 楽しみにしていて下さいね

【グラトニー】 君の心、必ず支配してみせるよ

二人の鬼気迫る表情に、ただ黙って 頷くことしかできなかった

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【グラトニー】 ここなら誰もいないね それじゃあ始めようか、マスター ボクは勉強熱心なんだ

【グラトニー】 君の心を掴む方法なんて 少し調べれば簡単に分かるんだよ つまり恋人になれば良いんだろう?

どこから取り出したのか、 グラトニーは一冊の本を手にしている とても嫌な予感がした

【グラトニー】 ええと、まずは… 砂浜で追いかけっこだね

【グラトニー】 マスター、本気で逃げると良いよ ボクが全力で追いかけるから 捕まったら君の負けだ

【グラトニー】 さあ、楽しい狩りの時間だ!

グラトニーが斧を振り上げる

捕まったら殺されると思い、 本気で逃げ回った

【グラトニー】 追いかけっこはこんなものかな 次は…ビーチバレーか 悪くないね

【グラトニー】 いくよマスター まずは軽く千本レシーブだ きちんと受けるように

グラトニーがビーチボールを 思い切りスパイクする

ビーチボールとは思えない威力で 襲い掛かってくるボールを懸命に 弾き返した

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【グラトニー】 何だ…恋人になるなんて、 やってみると意外と簡単じゃないか これでマスターの心はボクのものだね

グラトニーは満足そうだが、 ぼろぼろになった体で砂浜に倒れ、 そんなわけがないとぼやく

【グラトニー】 ん?何か言ったかい、マスター? ああ、そうだ

【グラトニー】 ほら、アイスを一本あげるよ ボクが物を分け与えるなんて 滅多にないことなんだからね

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ありがとうと言って受け取ったとき 夜空にパッと花が開いた

少し遅れてドーンと大きな音がする

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【グラトニー】 あれは何だ!? 敵の攻撃っ…?

身構えるグラトニーに、 あれは花火だと教える

【グラトニー】 花火…? ふぅん…きれいじゃないか

【グラトニー】 でもボクはもっときれいな花を知って いるけどね

そう言いながら花火を見上げて 目を細める彼女

それならジャングルに行ってみる? とマスターは尋ねる

【グラトニー】 さらわれたというのに余裕だね でも、ジャングルか… たしかに面白そうだ

不敵に笑いながらも グラトニーはマスターを抱え上げる

【グラトニー】 キミの足じゃあ、 明日になっても着かない だろうからね

軽やかに、 それでいて凄まじい速度で 二人はジャングルへと突き進んだ

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【グラトニー】 さすが神から離れた地ラグーナ島 花が咲き誇ってるじゃないか…

先ほどまでの凶暴な姿が噓のように グラトニーは花が咲いたような笑みで ジャングルを見渡している

やっぱりキミも 優しい女の子なんだね

【グラトニー】 ふんっ… 何を言うかと思えば くだらない…

そう言う彼女だが、 その顔は赤く染まっていた

【グラトニー】 …おかしいな 激しい運動をしたわけじゃないのに 何だか胸が苦しい

【グラトニー】 君…ボクに何をしたんだっ? まさか…この薔薇に毒を…

そんなことはしていないと 慌てて首を振る

【グラトニー】 だったらどうしてボクの胸はこんなに 高鳴っているんだ!? 君が何かしたに決まってるよ!

【グラトニー】 さあ、正直に言うんだ! ボクに一体何をしたっ?

詰め寄る彼女を懸命に抑える

【グラトニー】 正直に言わないと――

【グリード】 そこまでよ、グラトニー!

【グラトニー】 グリード! ボクの邪魔をするな!!

【グリード】 アナタはマスターを 支配できなかった だったら次は私の番よっ!

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