290402110 インテグラルノア編(擬彩されし不可逆世界編) 第4章 世界樹の子-インベイジョン- 第2話 絶望の到来‐11
【カミト】 町を抜けて、ユグドラシルまで あと少しだねっ
【グリモワール】 油断するんじゃないわよ! 死の匂いが濃くなってきたわ
【アスカロン】 霧も何となく濃くなってきたように 感じます
【カミト】 やっぱりユグドラシルに異変の 原因があるのかな…
【カミト】 この感じ… 前に幻覚を見たときと似ている 気をつけないと
【カミト】 みんな はぐれないようにね
【グリモワール】 それはこっちの台詞よ! しっかりついてきなさい
【カミト】 おかしいな…
【アスカロン】 歩いても歩いても、 近づいてる感じがしません
【グリモワール】 むぅっ… 結界の類は感じないのに… この霧のせいなのっ?
【カミト】 霧…? そうか! 霧のせいなんだっ
【グリモワール】 何か気づいたの?
【カミト】 グリモワール、アスカロン この霧を払うくらいの風を 起こせないかなっ
【カミト】 霧の中から急に魔物達が出てくるのと 同じような原理だよ
【カミト】 この霧のせいで方向も距離も 滅茶苦茶になってるんだ
【グリモワール】 生死の境界すら曖昧にしてるんだから そのくらいの現象、引き起こしてても 不思議じゃないわね
【グリモワール】 いいわ 炎で焼き払ってあげる!
【アスカロン】 私も嫉妬の氷で霧を打ち払います!
【グリモワール】 このおぉぉっ!
【アスカロン】 いきますっ!
【カミト】 やった! 二人とも、霧の裂け目に向かって 走るんだ!
【アスカロン】 はい、マスター!
【グリモワール】 言われなくても分かってるわよ!
【カミト】 もう少しだ… ユグドラシルの幹が目の前に 広がってる
【カミト】 あそこまで辿り着けばっ
【グリモワール】 足元も緩やかにうねってきた この下に根が張ってるのね
【アスカロン】 あっ…
【アスカロン】 マスター! 魔物が…来ます!
【???】 SYAAAAAAAAAAAAAAA AAAAAAAAAAAAAAA!!
【カミト】 こんなところにまでっ… 二人とも、いける!?
【グリモワール】 誰にものを言っているの?
【アスカロン】 二人だけでも、必ず倒してみせます!
【???】 BYAAAAAAAAAA…
【アスカロン】 やりましたっ…!
【グリモワール】 ふんっ… どうってこと…なかったわね…
【カミト】 二人とも酷い傷だよっ 急いで手当てしないと
【グリモワール】 こんなの…少し休めば治るわ それより先を急ぎましょっ
【アスカロン】 はい… こんなところで…立ち止まって いられません
【カミト】 ダメだよ せめて傷を塞いでおかないと
【カミト】 いくらキル姫が人間より頑丈でも 限度があるだろっ
【グリモワール】 心配性ねっ… それなら回復薬を…
【アスカロン】 えっ? うわあぁっ!
【カミト】 どうしたの、アスカロン!?
【???】 RYAAAAAAAAAAAAAAA AAAAAAAAAAAAAAA!!
【カミト】 そんな… あと少しなのに… こんな、たくさん…
【カミト】 くそっ… まだだ! まだ終わったわけじゃない!
【アスカロン】 そうです…! 私は…まだ戦えます!
【グリモワール】 ワタシだっていけるわよ…!
【グリモワール】 マスター 危ないからキミは離れていなさい!
【カミト】 分かった 必ず一緒に――
【グリモワール】 あぐぅっ…!
【アスカロン】 くぅっ…
【カミト】 えっ…? アスカロン…? グリモワール…?
【???】 GYAAAAAAAAAAAAAAA AAAAAAAAAAAAAAA!!
【カミト】 嘘だろ… たった一撃でっ…
【???】 RYAAAAAAAAAAAAAAA AAAAAAAAAAAAAAA!!
【カミト】 あぁぁぁぁっ…! 僕のせいで…
【???】 BYAAAAAAAAAAAAAAA AAAAAAAAAAAAAAA!!
【カミト】 ここで終わる…? 終わるのか…? 僕達は…
【カミト】 こんなところで… 終わって… 終わって…
【カミト】 終わって…たまるかぁぁぁっ!
【カミト】 絶対にユグドラシルに辿り着いて! この状況をひっくり――
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