30019203 ロンギヌス 『学園の思い出』
あれから数日後─
マスターは、 ロンギヌスから 屋上に呼び出されていた
【ロンギヌス】 あ、あの… マスター……
真っ赤な夕陽と同じくらい 頬を染めている彼女
これはもしかして… と、緊張するマスターに…
【ロンギヌス】 はい、これ…
何かを差し出す彼女
【ロンギヌス】 上手く作れたか 自信はありませんけど……
え?これは…なに?
【ロンギヌス】 な、なにって…
【ロンギヌス】 お弁当です、お弁当!
【ロンギヌス】 先日、約束したでしょ? マスターのお弁当、 私が作り直しますって
【ロンギヌス】 もしかして… 忘れちゃったんですか?
も、もちろん覚えてたよ
【ロンギヌス】 …じぃ~っ…本当ですか?
マスターを覗き込む彼女
【ロンギヌス】 あ、でも勘違いしないで下さいね! マスターに作るついでに、 クラス全員にも作りましたから!
!!きみは…
【ロンギヌス】 え?
本当に優しい子だね…
【ロンギヌス】 !!
【ロンギヌス】 もしかしたら…
【ロンギヌス】 さくらちゃんも こういう気持ち だったのかな…
どういうこと? マスターが尋ねる
【ロンギヌス】 とにかくみんなの笑顔が見たくて がんばってたら、…自分も自然と 明るく元気になったのかも!
ロンギヌスの優しさの 結晶であるお弁当により、 クラスメートは元気をもらった
それは彼女の新たなるスキル 『学園の思い出』 開眼の瞬間でもあった
【ロンギヌス】 本当は…マスターにだけ お弁当をあげたかったけど… まだそこまでの自信は無いから…
え?なにか言った?
【ロンギヌス】 い、いいえ…! こ、これからも…
【ロンギヌス】 よろしくお願いしますね、 マスター!
いっただきま~す!
彼女の手作り弁当を 嬉しそうに食べ始める マスター
【ロンギヌス】 もう少し自信が持てたら… 私の気持ち、 伝えさせてくださいね
屋上に暖かな風が吹いた
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