30241204 蜻蛉切ストーリー 『夢想繚乱槍』
あれから数日後─
蜻蛉切の部屋の前を 通りかかったマスター
少し開いた扉から覗くと、 また彼女がこちらに背を向けて 座っていた
なにしてるの？
【蜻蛉切】
…………
声をかけるも、 彼女の返答はない
またなにか怒らせたのかな？ 心配になり、 後ろからのぞき込むマスター
【蜻蛉切】
わっ！！
【蜻蛉切】
びっくりした…！
おどかさないでよ、ばか殿！
そう言って、 咄嗟になにかを隠す
【蜻蛉切】
ち、違うわよ！
今日はパックじゃないわよ！
選択肢:
- じゃあ、なにしてたの？ → select_label_01へ
- 今…なにを隠したの…？ → select_label_02へ
- 一生懸命になにかしてたよね…？ → select_label_03へ
ち、違うわよ！ 今日はパックじゃないわよ！
select_label_01:
【蜻蛉切】
べ、別になんだっていいでしょッ！
select_label_02:
【蜻蛉切】
か、隠し事の一つや二つくらい…！
select_label_03:
【蜻蛉切】
の、のぞくなっての！
select_label_end:
【蜻蛉切】
…もう、しょうがないなぁ
【蜻蛉切】
これ…作ってたのよ
彼女が出したのは、 木彫りのトンボ
【蜻蛉切】
そ、私が彫ったの
こういうの…好きでさ
【蜻蛉切】
これ…
殿にあげようと思って…
【蜻蛉切】
これは…
私の槍で切れて亡くなった
トンボのボンちゃん
【蜻蛉切】
自分で言うのもなんだけど…
これは私の中に生まれた優しさを…
表現したかったの
【蜻蛉切】
そ、それを…
殿にもらって欲しくて
優しさを捧げたいという心情が、 彼女に新たなる奥義 『夢想繚乱槍』を授けていた
【蜻蛉切】
い、今までも…
主君への忠義は絶対
だったけど…
【蜻蛉切】
こ、これまで以上に、
殿に尽くすから…！
【蜻蛉切】
だから、これ…！
木彫りのトンボを マスターに差し出す彼女 ２人の距離がぐっと縮まる
【蜻蛉切】
…あ
蜻蛉切が潤んだ瞳で マスターを見つめる
【蜻蛉切】
あ、あれ？
これって…
この雰囲気って、もしや…
【蜻蛉切】
え、え～い！
特攻かけちゃえ！！
マスターの唇に、 彼女が顔を近づけようとした、 その時…
【蜻蛉切】
…って、あー！
【蜻蛉切】
もう、ばかボン！
そこどいて！
２人の顔の間を、 にしししし！と、 したり顔ですり抜けるボンちゃん
【蜻蛉切】
べ、別になにもしようと
してないわよッ！
【蜻蛉切】
プレゼントあげたんだし、
もう出てったら！！
真っ赤な顔で背を向ける彼女 鏡越しに映る顔は、 なんだか前よりも輝いて見えた
Next: 30251201