30291202 サンゴ 『海姫の流牙』
【サンゴ】 それっ! やぁっ!
波のように押し寄せる異族に サンゴは槍を振るっていく
【サンゴ】 マスターには、 近寄らせないからね!
その宣言通り、サンゴは 異族を掃討していった
【サンゴ】 …ふぅ 危なかったね、マスター
危なげなく戦っていたように 見えたが、大きなプレッシャーが かかっていたらしい
サンゴは思いのほか 大きく安堵の息を吐きながら 振り返った
そんな彼女を、マスターは 優しくねぎらうのだが…
【サンゴ】 ま、これぐらいはヘーキだよ! 物の怪の方が もっと手強かったもん!
【サンゴ】 クノイチさん達と わたしすっごい…
【サンゴ】 …すっごい、がんばってたよ
前の世界のことを思い出しているのか 遠くを見つめるように 目を細めるサンゴ
しかしそれが隙となった
【異族】 グギギ……!
【サンゴ】 えっ!?
過去に浸るサンゴの背中に まだ息のあった異族が襲いかかる!
【サンゴ】 えっ!? マスターーーー!?
マスターはとっさにサンゴをかばい 異族の一撃を、その身に受けてしまう
【サンゴ】 そ、そんな…! 許さないよ!
普段の柔らかな口調ではなく 強い気合いともに槍が煌めき 異族は地に果てる
【サンゴ】 だいじょうぶ!? マスター!
駆け寄るサンゴに、マスターは 心配ないと首を振る
【サンゴ】 平気じゃないよー! どうしてかばったりなんかしたの!
【サンゴ】 話が逆!ダメだよ! マスターは大切なんだから!
【サンゴ】 わたしなんて会ったばっかりだし 前の世界に帰っちゃうかもしれないし
【サンゴ】 わたしの代わりになる子は ほかにもいるけど マスターはひとりなんだよ?
【サンゴ】 かばっちゃ、ダメだよ…
マスターは思わず サンゴの額を指で小突いた
選択肢:
- サンゴは大切だよ → select_label_01へ
- ムダなことなんてない → select_label_02へ
- 怒るよ → select_label_03へ
マスターは思わず サンゴの額を指で小突いた
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【サンゴ】 そんなこと、言われても
select_label_02:
【サンゴ】 わたしのために死んじゃったらダメ
select_label_03:
【サンゴ】 …でも、本当のことだもん
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【サンゴ】 気持ちはうれしいけど わたしはいつ居なくなっても おかしくないんだから…
先のことが分からないのも 出会いがあれば別れがあるのも 特別なことじゃなく普通のこと
だから遠慮して、なにかをしない そんな変な気遣いを する必要はない
【サンゴ】 先のことがわからないから? だから、だからこそ 一生懸命楽しまなきゃ…損?
【サンゴ】 …うん。そうかも さみしかったり、悲しかったり こっちに来て辛いこともあったけど
【サンゴ】 それは前の世界でもそうだったかも それが、新しい経験なんだよね
楽しいことだけじゃなくて 傷つくことも覚悟しないと そう言ってマスターは頷く
【サンゴ】 傷つくのを覚悟する…
【サンゴ】 …そうだよね それが、生きるってことだよね
【サンゴ】 マスターが傷ついて悲しくて 辛かったけど でも同じくらい嬉しかったの
【サンゴ】 マスターにかばってもらって わたし!嬉しかったの
【サンゴ】 だって… 助けたり助けられたりするのが 仲間だもの!
【サンゴ】 …だから
【異族】 グギャギャ!
どこから現れたのか 再び異族たちに囲まれていた
それは先ほどよりも もっと多勢による大群だ
【サンゴ】 でも、だいじょうぶだよ 今のわたしは、さっきよりも もっと強い!
サンゴのなかで この世界で生きる覚悟が決まった
それは新たなスキル 『海姫の流牙』 開眼の瞬間だった
【サンゴ】 わたしの世界はどんな時でも おだやかで…揺るがない!
【サンゴ】 この世界で生きるために! 自分とマスターを 守れる強さを手に入れたよ!
【サンゴ】 まだね、迷ってることは いっぱいあるけど…
【サンゴ】 マスターと一緒なら 何があっても楽しんでいけるよね!
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