310021120 シークレットリーエバーアフター(Secretly Ever After)(SEA編) 第1章 閉ざされた箱にて、キミを射抜く 第１話 閉ざされた箱にて、キミを射抜く-12
【ゼロ】
くそっ！
そういう絡繰りか…
おい市長！
【市長】 知らない…！ 九つ目の門なんて私は知らない 本当だ、信じてくれ…！
【ゼロ】
チッ…
グングニルは知ってやがったな
【ゼロ】
道理であっさり退いたわけだ
あいつは「最後の門番」として
今頃、最後の門を守っている
【ゼロ】
上等だ
絶対に見つけ出してやるぞ！
【ミーミル】 ゼロさん、無闇に探しても… ああ、行ってしまわれました
【ミーミル】 マスター様、私達は――
【蜻蛉切】
皆、無事なの！？
【ミーミル】 蜻蛉切さん どうしてこちらに？
【蜻蛉切】
町の外にいた人達が集まって
北門を押さえてくれたから、
動けるようになったのよ
【蜻蛉切】
…って、そなた達に言っても
何のことか分からないわよね
それよりもっ
【蜻蛉切】
ゼロが凄い顔して
飛び出していったんだけど
今、どういう状況なの？
【蜻蛉切】
レーヴァテインは…
【レーヴァテイン】
…………
【蜻蛉切】
小さいままじゃない！
それに、苦しそうよ…
【ミーミル】 蜻蛉切さん、実は…
【蜻蛉切】
それでゼロが飛び出していったのね
九つ目の門なんて言われても…
【蜻蛉切】
困ったわね
私、この町に
そこまで長く住んでいないのよ
【ミーミル】 えっ？ そうだったんですか 私、長く住んでおられるものとばかり
【蜻蛉切】
与一達よりずっと後よ
この町が要塞都市になってから
訪れたんだもの
【蜻蛉切】
それまではあちこち
転々としてたんだけど、
おでんが美味しいからついつい…
【蜻蛉切】
いや、そんなことどうでもいいわ！
とにかく、あまり詳しくないからっ
【ミーミル】 それは、失礼致しました…
【ミーミル】 初めてお会いしたとき、ゼロさんが 知らなかった場所もご存知だったので 詳しいものとばかり
【蜻蛉切】
ゼロが知らなかった場所？
何のこと？
【ミーミル】 町の中心にあるオブジェの中です あそこが空洞になっていると ゼロさんはご存知なくて
【蜻蛉切】
ああ
あそこは私も偶然見つけたの
【蜻蛉切】
随分前に、グングニルが
中に入っていくのを見かけたのよ
それで、中に入れるんだって知ったわ
【ミーミル】 グングニルさんがっ？
【ミーミル】 マスター様、もしかして…
【蜻蛉切】
あ！そうよ
あのオブジェの中、
詳しく調べてみた方が良さそうね
【蜻蛉切】
そなた達はゼロと合流してから
オブジェに向かいなさい
【ミーミル】 蜻蛉切さんはどちらに？
【蜻蛉切】
私は、ちょっと活を入れてくるわ
【与一】
はぁ…
【与一】
みんな遅いな…
レーヴァテインさん、
元の姿に戻れたのかな…？
【与一】
与一はいつまで、
この門を押さえていれば
いいんだろう…
【グングニル】
ならば、そなたは門が閉じぬよう、
ここで押さえておく役くらいが
お似合いだ
【与一】
あうぅ…
【蜻蛉切】
情けない顔をしているわね、与一
【与一】
蜻蛉切さん！？
北門は大丈夫なんですかっ？
【与一】
あっ
レーヴァテインさんが元に戻ったから
門を押さえている必要が――
【蜻蛉切】
残念だけど、レーヴァテインは
小さいままよ
【与一】
そ、そうですか…
八つの門を全て開けたのに…
【蜻蛉切】
もう一つ、あるらしいのよ
九つ目の門が
【与一】
えええええ…！？
そんなの、ずるいですよぉ…
【蜻蛉切】
…その様子だと、
本当に何も知らなかったのね
【与一】
知りませんよぉ…
与一が何を知ってると
思っていたんですかっ
【蜻蛉切】
与一
そなた、この町に長く
住んでいるわよね
【与一】
は、はい…
【蜻蛉切】
そして、レーヴァテインに対し
思うところがあるわね
【与一】
はぅ！
それは…何と言いますか…
その…はい
【蜻蛉切】
ふぅ…
与一、これは私のお節介なんだけど
【蜻蛉切】
そなたが望むなら、ここの門を
押さえる役目を代わってあげる
【蜻蛉切】
グングニルは恐らく町の中心にある
オブジェの中にいるわ
きっと、そこに最後の門がある
【蜻蛉切】
レーヴァテインを助ける役目
そなたが為すべきではないの？
【蜻蛉切】
どうする、与一
【与一】
与一は…
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