310021202 レーヴァテイン・獣刻・バハムート 偉大なる竜の一撃
数日後―
【レーヴァテイン】 これでこの辺りの敵は 一掃できたわね
そう言いながら、 レーヴァテインは周囲を見渡す
その隣に、ムーの姿はなかった
ありがとう、お疲れ様 とマスターが声を掛けると レーヴァテインは小さく息を零した
【レーヴァテイン】 ちゃんと偵察してくれたおかげ… ありがとう、マスター ムーもそう思うでしょ…あっ!
いないはずのムーに話しかけ、 思わずレーヴァテインの顔が 赤く染まる
まだ見つからないの? と尋ねるマスターに レーヴァテインは頷いた
【レーヴァテイン】 隊からいなくなっては いないみたいだけど
そろそろ仲直りしたら? マスターのその言葉に、 レーヴァテインは顔を背けた
【レーヴァテイン】 私は悪くないし ムーに責任感がないのが悪い 私達には使命があるのに…
レーヴァテインの言葉に マスターはためらいがちに 呟く
たしかに使命は あるかもしれないけど…
それはレーヴァテインだけの ものじゃないよ とマスターは言った
【レーヴァテイン】 …え?
僕達の仲間になってくれたんだから、 レーヴァテインの使命は 僕にとっても使命だ
【レーヴァテイン】 マスター…
だから、 もっと気軽に考えていこうよ 僕も隊の皆も力を貸すから
【レーヴァテイン】 気軽に…
【レーヴァテイン】 そっか…ずっと私、 自分がなんとかしようって 思ってた
【レーヴァテイン】 だから、いろいろなことを 気にして…
【レーヴァテイン】 ありがとう、マスター ムーを探してくる
【レーヴァテイン】 ここにいるって聞いたけど…
隊の斬ル姫達に聞いてまわり なんとか居場所を突き止めた レーヴァテイン
辺りを見渡してみるが、 ムーの姿はない しかし…
【レーヴァテイン】 あれは… トレイセーマの兵…?
丘の外れに トレイセーマ兵の集団がいた
【???】 レヴァ!!
【レーヴァテイン】 まさか… ムーが捕まってる!?
急いで駆け寄るレーヴァテイン そこでは…
【ムー】 レヴァ! た、助けてくれっ…
【トレイセーマ兵】 くくっ、 ようやく見つけたぞ 脱走兵レーヴァテイン
【レーヴァテイン】 チッ… 私達のことを知ってる
【トレイセーマ兵】 我らがトレイセーマの 貴重なバハムートの力 逃すわけにはいかない
【トレイセーマ兵】 お前達を捕らえ、 改めて教育を施さねば
何十人もの兵が レーヴァテインを取り囲む
【トレイセーマ兵】 お前達、かかれぇっ!!
【レーヴァテイン】 っ…ムー! ちょっと待ってて!
【レーヴァテイン】 絶対… 絶対に助けるっ…
敵の大半を無視して、 ただ、前に進む
【レーヴァテイン】 っ… くぅっ…
そのせいで、体のあちこちに ダメージが蓄積するが お構いなしだった
そして―
【レーヴァテイン】 ムー!
【ムー】 レヴァ! 俺っ―
【レーヴァテイン】 ムー、 また力を貸して
あまりにも短すぎる レーヴァテインの言葉に、 ムーは一瞬、呆気に取られた
【ムー】 …はははっ! ったく、 ホントにレヴァは不器用だなっ
不器用ながらも真っ直ぐな言葉に ムーはからからと笑う
【ムー】 俺とレヴァ、 二人いれば無敵さ
【レーヴァテイン】 ふふっ、そうね
【ムー】 だから、 さっさと終わらせようぜ!
【レーヴァテイン】 めんどくさいけど… やるよ
改めて通じ合い、 深まった二人の仲―
その絆が新たな力
『偉大なる竜の一撃 -ワールド・ブレイカー-』 に目覚めさせる
そんな時―
【トレイセーマ兵】 ぎゃぁぁっ!
【トレイセーマ兵】 このタイミングで 増援だと!?
【レーヴァテイン】 マスターっ!
騒ぎを聞きつけたのか、 マスターと斬ル姫達が 兵達を蹴散らしていく
【レーヴァテイン】 ムー! 飛んで!
【ムー】 あいよ! 俺も休んでた分、 働かないとなっ
騎竜となったムーに またがるレーヴァテイン そのまま二人は上空へ飛び立った
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