310061213 ナーゲルリング・聖鎖・ラグエル 亡魂の審決
【ナーゲルリング】
はぁぁぁぁぁぁぁっ！！
エノ様の声に従い戦う彼女
それは自分自身を守るための戦い
マスターのことなど、 見向きもしない
【ナーゲルリング】
だけど…
それでいい
【ナーゲルリング】
こう敵の数が多くては、
マスターを守りながら戦うなど
自殺行為
【ナーゲルリング】
救えなければ…
また新しいマスターを
見つけ出せばいい
【ナーゲルリング】
それだけの話…
そう考えながら戦っていると…
【ナーゲルリング】
…あっ！
彼女の目を逃れ、 敵の一人がマスターに襲い掛かった！
“放っておけ” エノ様の声が ネズミを通して聞こえる
【ナーゲルリング】
で、でも…！
“彼を救うことは、 お前自身の死を意味する”
【ナーゲルリング】
わ、私は…！
苦悶の表情を浮かべ、 葛藤を繰り返す彼女に マスターが叫んだ
きみは敵を殺すふりをして… 自分を殺している！…と
【ナーゲルリング】
…！
マスターは続ける それじゃあ、生きている意味がない！ 生きろ！自分の人生を！！
【ナーゲルリング】
！！
【ナーゲルリング】
私の…人生……
一瞬の隙を突き、 敵の攻撃が マスターに降り注いだ…
【ナーゲルリング】
申し訳ありません……
【ナーゲルリング】
エノ様！！
自らの体を盾にマスターを守る彼女
【ナーゲルリング】
ぐっ…！！
それは、彼女が初めて エノ様の声を無視した瞬間だった
ナーゲルリング！！ マスターの叫びに彼女が答える
【ナーゲルリング】
初めて…自分自身の心に…
従いました！
【ナーゲルリング】
なぜかは分かりません…
でも、心が…
【ナーゲルリング】
あなたを救えと叫んだのです！！
次の瞬間！ 彼女の新たなる力が発動！
【ナーゲルリング】
あなたの言葉が…
私に新たな力を
与えてくれました！
【ナーゲルリング】
新必殺…
『亡魂の審決』―――ッ！！
覚醒した巨大な力で、 彼女は敵を一網打尽にするのだった
【ナーゲルリング】
はぁ…はぁ…
断罪…完了
戦闘を終えた彼女は、マスターに語る
【ナーゲルリング】
ずっと…嘘をついて生きてました
【ナーゲルリング】
粛正など…
本当はやりたくなかった…
【ナーゲルリング】
心の中に神の存在を作り出すことで…
神のお告げのせいにすることで…
自分の罪を消していたのです
【ナーゲルリング】
私は悪くないのだと…
深層心理に刷り込んでいました
【ナーゲルリング】
なんと罪深い…
断罪されるべきは…
この私なのです…
後悔の念に駆られるナーゲルリング
そんな彼女にマスターは告げる 後悔すれば…あとは前に進むだけだね
【ナーゲルリング】
…！
【ナーゲルリング】
…はい
【ナーゲルリング】
もう…
この子たちを通して
エノ様の声は聞こえません
ナーゲルリングは ネズミの頭をそっと撫でる
【ナーゲルリング】
これからは…自分自身の声と…
【ナーゲルリング】
そして、私を救ってくれた
マスターの声を聞いて生きていきます
【ナーゲルリング】
罪を背負い、
それでも前を見て生きていきます…
これからは…あなたのそばで
いつも無表情だった彼女が、 初めて微笑んだ瞬間だった
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