Phantom of the Kill

Story scripts of Phantom of the Kill (ファントム オブ キル)

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310121212 アダマス・D. plug・アイム 屈服させる炎禍の一閃

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数日後――

ある事件が起こった

3101211.png 【アダマス】 ……へぇ、キレイじゃん

アダマスの視線の先には、 炎の海…

なんと落雷によって、 大きな山火事が発生したのだ

悲鳴を上げ、逃げ惑う人々

だがアダマスはうっとりと 炎を眺めている

姫達を率い、 消し止めに行こうとするマスターを 呼び止め、彼女は尋ねる

3101211.png 【アダマス】 ねぇ、マスター

3101211.png 【アダマス】 世界の戦火は、 あの山火事みたいに どんどん燃え広がっている

3101211.png 【アダマス】 いつか世界を 戦火が覆い尽くそうとしても… あんたは世界を救えるの?

3101211.png 【アダマス】 人々を救えるって言えるの?

3101211.png 【アダマス】 ………

紅蓮に照らされる彼女… その目を見つめ、マスターは言う やれるだけのことはやってみるよ

3101211.png 【アダマス】 どうだか 言葉ではいくらでも…

そして、姫達と共に 燃え盛る山に向かうのだった

3101211.png 【アダマス】 ちょっ、あんた…!

3101211.png 【アダマス】 ……… 大した力も無いくせに

人々を避難させたり、 火が燃え移る前に 木々を切り倒したり……

山火事の被害を最小限に抑えようと、 懸命に動くマスター達

3101211.png 【アダマス】 ………ふん

そんな必死に足掻くマスターや 姫達の様子を傍観しながら、 アダマスは思う

3101211.png 【アダマス】 あんたらみたいな “小さな力”が集まったところで……

3101211.png 【アダマス】 広がる炎を消し止めるなんて、 できやしない

3101211.png 【アダマス】 巨大な炎の前では…… 誰もが無力なのよ

それでも必死に、 消火活動を続けるマスター達

3101211.png 【アダマス】 ………

だが炎は一向に消し止まず……

3101211.png 【アダマス】 だから、言ったじゃない

遂にマスターや姫達に、 体力の限界が訪れる…

膝を付き、 肩で息をしている姫達

特にマスターの状態はひどく、 全身に軽い火傷を負い、 今にも倒れ落ちてしまいそうだ

3101211.png 【アダマス】 ………

そんなマスターを見て、 アダマスは呟く

3101211.png 【アダマス】 だから言ったんだ… 身の丈を超えた大願を持つ奴は、 いつか自分の炎で身を滅ぼすって

3101211.png 【アダマス】 あんたの力じゃ世界を救うどころか、 こんな山火事ひとつも……

――と、その時

3101211.png 【アダマス】 !!

聞こえてくる地鳴りのような轟音

3101211.png 【アダマス】 ……これは

なんと大勢の人達が、 消火活動の応援に 駆け付けてくれたのだ

3101211.png 【アダマス】 まさか…こんなこと……

マスターや姫が救った人々が、 隣町などに頼み込んで、 救援を呼んでくれたのだ

3101211.png 【アダマス】 ……まったく

3101211.png 【アダマス】 助けた相手に助けられるなんて 世話ないわね

そう呟いた瞬間……

3101211.png 【アダマス】 !!

3101211.png 【アダマス】 なっ…! マスター、なにを……

なんとバケツ一杯の水を被り、 気合いを入れ直したマスターが、 再び消火活動に参加し始めた

3101211.png 【アダマス】 さっきまで限界だったじゃん…

3101211.png 【アダマス】 …どこから…… そんな力が…

負傷した体に鞭打ち、 人々の先頭に立って消火活動に 没頭するマスター

3101211.png 【アダマス】 ………

彼女は必死に協力し合う人々を 見つめている

最後まで諦めるなぁぁぁ! マスターは大声を張り上げ、 救援部隊と共に必死に頑張っている

しかし、それを嘲笑うかの如く、 巨大な炎は迫ってくる

最早これまでか…… 姫達がそう思った時………

あっ!あれ……!! 姫のひとりが気づいた

3101211.png 【アダマス】 やれやれ

迫りくる大火の前に立つ アダマスの姿に

いつの間に……! マスターも驚きを隠せない

3101211.png 【アダマス】 神出鬼没ってとこも、 アイムの影響でね

危ないっ!! 炎に飲み込まれそうになる 彼女に向かって、マスターが叫んだ

3101211.png 【アダマス】 見せてもらったわ あんたの魂の炎 今度は……

3101211.png 【アダマス】 あたしが魅せる番ね!!

3101211.png 【アダマス】 はぁぁぁぁぁぁっ!!

巨大な炎を放つアダマス

3101211.png 【アダマス】 消え去れぇぇぇっ!!

山火事の炎を一気に押し流すような 強烈すぎる炎

その爆風により、山火事は見事 消し飛ばされるのであった

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そして――

3101211.png 【アダマス】 …ったく、無茶し過ぎなのよ

マスターの火傷の治療をしながら、 語っているアダマス

3101211.png 【アダマス】 あんたらみたいな “小さな火”が集まったところで 世界は救えない

3101211.png 【アダマス】 そう思ってた

3101211.png 【アダマス】 でも…

3101211.png 【アダマス】 マスターや姫達、 それに街の人々まで…

3101211.png 【アダマス】 みんなが一つになって 絶望に立ち向かった

3101211.png 【アダマス】 見せてもらったわ 『絆』は炎よりも強く、 熱く燃え広がっていくってことを

3101211.png 【アダマス】 もしかしたら世界は、 こうやって救われるのかも 知れない…

3101211.png 【アダマス】 本気でそう思わされたわ

3101211.png 【アダマス】 あんたにね

微笑むアダマス

そんな彼女にマスターは応える 世界を救いたいなんて、 身の丈を超えた願いかも知れない

だけど…僕は 絶対にやり遂げてみせるよ

すすで黒くなった顔で、 少年のように微笑むマスター

3101211.png 【アダマス】 ……!

3101211.png 【アダマス】 ………やだ

3101211.png 【アダマス】 カッコイイじゃん……

頬を赤く染めた彼女に、 どうしたの?と尋ねるマスター

3101211.png 【アダマス】 …うっ

3101211.png 【アダマス】 …ったく、憎らしいわね

3101211.png 【アダマス】 その憎らしい顔、 燃やしてしまいたいわ

3101211.png 【アダマス】 でも…やめとくわ あんたがどこまでやれるのか…

3101211.png 【アダマス】 この目で 見させてもらうことに したから

彼女の心は、 熱く燃え始めていた

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