310231213 アスカロン・D. plug・レヴィアタン 心底の大渦
やってきたのは…
【アスカロン】 これは…射的?
マスターが、 自信たっぷりに銃を構える
【アスカロン】 わ…上手そう…!
その期待を背負って、 マスターが弾丸を放った!
……が、
【アスカロン】 え…えぇ…!?
上手そうなのは雰囲気だけ 的に一発も当てられないマスター
【アスカロン】 ほんとは… 下手っぴなんだ…
そ、下手っぴ この通り、僕は何もできない とマスターは言う
きみには僕が大きな自信を持っている ように見えたかも知れないけど、 そんなのじゃない
その時々に自然体で接しているだけだよ 何にも考えてないともいえるかも
あっけらかんと言い放つマスター
【アスカロン】 そ、そんなこと… ありません!
でも、きみは… 色んな事を考え、感じ取っている
きみ自身はそれをイヤと 思うかも知れないけど、 僕から見たらそれは…
【アスカロン】 ……向上心?
【アスカロン】 誰かを羨ましいと思う気持ちは… 変わりたいっていう…
【アスカロン】 前向きな心………
マスターの言葉を、 自分の胸に問い掛ける彼女
次はきみの番だよ と、マスターが 彼女に射的の銃を手渡す
【アスカロン】 ………はい
意を決した目で、 剣を構えるような格好で アスカロンが銃を持つ
【アスカロン】 誰かを羨ましいと思う気持ちは… 変わりたいという…
【アスカロン】 前向きな心!
発射!
しかし、 その弾丸はマスターと同じく、 ことごとく外れた
【アスカロン】 ………
【アスカロン】 ……プッ
【アスカロン】 あははははは!
顔を見合わせ、 ド下手な自分たちに 大爆笑する2人
【アスカロン】 マスターは…不思議な人ですね
【アスカロン】 今までなら… 『下手』で笑うことなんて 出来なかった
【アスカロン】 上手な人に、 嫉妬するしか出来なかった
【アスカロン】 でもマスター、あなたは… そうじゃなくてもいいと 思わせてくれました
【アスカロン】 私は…私でいいんだと
マスターを見つめるアスカロン
マスターのバイブスと 共鳴した彼女は己の力を解放する
それは新たなるスキル 『心底の大渦 -ウェーブ・ローグ-』 に目覚めた瞬間だった
【アスカロン】 なぜマスターが、 みんなから好かれるか 分かった気がします
【アスカロン】 それは… 人を自然体で受け入れるから
【アスカロン】 本人が欠点だと思っているところも、 マスターは認めてくださる… 何だったら褒めてくださる
【アスカロン】 マスターが持っていたのは 大きな自信じゃなくて…
【アスカロン】 “心の大きさ”だったんですね!
と、彼女が明るく笑った
【アスカロン】 でも…
【アスカロン】 そんな大きな心を持てるなんて… 羨ましいです!
寛容な心を持つマスターすら、 羨ましく思ってしまう彼女
【アスカロン】 この性格、全然直ってませんね
【アスカロン】 でも…
【アスカロン】 今はそれでいいと思います
【アスカロン】 だって、マスターが それでいいと言ってくれたから
【アスカロン】 これが…私らしさなんだと
【アスカロン】 だから、そんな自分を… 少しは好きになってあげようと 思います
微笑む彼女
マスターは彼女に告げる
その笑顔はきみだけのもの きみは“きみらしく”でいいんだよ …と
じゃ、帰ろっか、と 背中を向けるマスター
【アスカロン】 大きな心を持ったマスターを… ずっと見続けたいと思います…
【アスカロン】 あなたのそばに… ずっといたい……
【アスカロン】 この気持ち… この想いは……
憂いと憧れが入り混じった瞳で、 マスターの背中を見つめる彼女だった
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