310261213 カラドボルグ・聖鎖・レリエル 闇夜舞う蝶の燐光
遅れて到着するマスター
【カラドボルグ】 …くっ! ええーーーい!!
彼女は、 圧倒的な敵の数に苦戦しながらも、 なんとか応戦していた
【カラドボルグ】 …はぁ!…はぁ! ……くっ!
取り囲まれる彼女 まさに絶体絶命!
…と、その時!
【カラドボルグ】 …あ
彼女の窮地に、 隊の姫達が駆け付けた
もう安心だよ!と、 叫ぶマスター
……だが、
【カラドボルグ】 手出しは無用よ!
彼女は仲間の助けを拒絶したのだ
どうして…? 心配げに尋ねるマスター
傷だらけになった彼女が、 心の内を語り出した
【カラドボルグ】 本当のことを言うわ…
【カラドボルグ】 占いじゃ… 混濁を極めているのは私の方
【カラドボルグ】 どうやら私の運勢は ずっと大凶みたいなの…
そう告げて、 敵陣に斬り込む彼女
【カラドボルグ】 はぁ…!はぁ…!
マスターの脳裏に、 いつかの彼女の言葉がよぎる “いいのよ、この方が”
君はもしかして… マスターの問い掛けに、 彼女は答えた
【カラドボルグ】 そうよ… そんな私と一緒にいたんじゃ…
【カラドボルグ】 あなた達も 呑み込まれるかも知れない…
【カラドボルグ】 絶望と言う名の… 真っ暗な夜の闇に……
そう…彼女は自分がいることで、 みんなが絶望の未来に 進むんじゃないか…
それが怖くて、 ずっと行動を共にしてこなかったのだ
【カラドボルグ】 分かった? だから、あなた達は 戦闘に関わらないで
そう突き放し、 武器を握り直す彼女の肩に マスターがポンと手を置く
【カラドボルグ】 聞いてなかったの…? 早くここから…!!
彼女の言葉を遮り、マスターが言った きみを信じる…待ち受ける未来が 希望でも絶望でも……
共に進む覚悟はあるから…と
【カラドボルグ】 !!
【カラドボルグ】 ど、どうして…?
だって…仲間だろ マスターの言葉に
私達も同じ気持ちよ!と 姫達が続く
【カラドボルグ】 ……み、みんな
優しく微笑むマスターや姫達
【カラドボルグ】 ………うん
それを見て、 カラドボルグは応えた
【カラドボルグ】 いいわね…好きだわ、その顔! とても美しいわぁ!!
【カラドボルグ】 そう言ってくれるのなら… 私があなた達を導く! 光あふれる希望に!!
武器を握る手に、力が蘇る
【カラドボルグ】 行くわよ!!
すると、美しい光を放つ蝶が どこからともなく舞い踊った
【カラドボルグ】 新技!! 『闇夜舞う蝶の燐光』―――ッ!!
仲間に力をもらった彼女は、 新たなる力に開眼
【カラドボルグ】 予言が外れちゃったわ でも…
【カラドボルグ】 私達の勝ちよ!
見事、すべての敵を 葬り去るのだった
戦闘後、カラドボルグは マスターの隣で語っている
【カラドボルグ】 みんなと共に進もうとしない 孤独に落ちた未来…
【カラドボルグ】 それこそが、 大凶の意味するところだったのかも
【カラドボルグ】 ねぇ、聞いていい?
【カラドボルグ】 予言とは… 運命とは……
【カラドボルグ】 己の心ひとつで移ろってゆく
【カラドボルグ】 だから、この先の未来… 私が本当に希望となれるのか 絶望となってしまうのか…
【カラドボルグ】 まるで分からない
【カラドボルグ】 それでもマスターは…
【カラドボルグ】 私と一緒に戦ってくれるの?
悪戯っぽく微笑む彼女
その笑顔は、 天使のようで悪魔のような 魅力が入り混じっていた
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