310281211 ダーインスレイヴ・聖鎖・マリク 償うべき罪
姫達に戦慄が走った
【ダーインスレイヴ】 ダーインスレイヴ・ 聖鎖・マリクだ
【ダーインスレイヴ】 咎人が出た際は、 わたしに任せてくれ 適正かつ厳格に対処しよう
姫達を射抜くような目
新たに入隊した彼女は、 地獄で罪人を責め立て監督する天使 『マリク』を内包していた
【ダーインスレイヴ】 もちろん、マスター自身が 咎人になった場合でも、 手心を加えるつもりは一切ない
【ダーインスレイヴ】 まあ、そのようなことは 起こらないよう、 祈っているよ
冷徹さを感じさせるその視線に、 姫達は不安を募らせるのだった
そして、その不安は見事、 的中することになる
【ダーインスレイヴ】 おい、そこ… 寝坊か?
【ダーインスレイヴ】 惰眠は心を緩ませる
【ダーインスレイヴ】 いいか? 朝は余裕をもって起床して、 優雅に過ごせ
【ダーインスレイヴ】 それが、いい一日にする秘訣だ
【ダーインスレイヴ】 寝坊して朝食を抜くなど、 もってのほかだぞ
彼女は、姫達の行動を 次第に監督するようになっていった
姫達はダーインスレイヴの 厳格な時間管理のもとで 行動せざるを得なくなっていく
そんなに厳しくしなくても、 いいんじゃない? とマスターが言ってみるも…
【ダーインスレイヴ】 それはできない
【ダーインスレイヴ】 なぜなら、その昔…
【ダーインスレイヴ】 わたしが監督しなければ、 堕落する者が多く出た
【ダーインスレイヴ】 堕落した者は罪を犯す
【ダーインスレイヴ】 罪を犯した者への制裁は、 適正かつ厳格に
【ダーインスレイヴ】 それがわたしの中の正義だ
キッパリと言い切る彼女
しかし罪に関しての定義は、 ダーインスレイヴ独自の哲学を 行動規範としているため
隊の中には、 彼女に反発する姫も多かった
そんな、ある日……
【ダーインスレイヴ】 おい、そこ なにをしている?
そわそわしている姫に尋ねる彼女
【ダーインスレイヴ】 なに? まだ戻らない姫がいるだと?
【ダーインスレイヴ】 連絡もせずに、 みんなに迷惑をかける行為は 許せんな
【ダーインスレイヴ】 戻ってきたら、 わたしから罰を与えておこう
その姫を待つダーインスレイヴ
夜も更けた頃…
【ダーインスレイヴ】 こんな遅くまで、 なにをしていた? 門限はとっくに過ぎているぞ
そ、それは… と俯きながら呟く姫
【ダーインスレイヴ】 言い訳はいい
【ダーインスレイヴ】 おまえには罰を与える
手錠で拘束し、 独房のような部屋に入れる ダーインスレイヴ
いくらなんでも、やり過ぎよ! と、反発する姫もいたが、 彼女は意にも介さなかった
その話を聞きつけたマスターが、 ダーインスレイヴの元にやってくる
【ダーインスレイヴ】 なにか用か?
そこまでする必要があるのかな? とマスターが諭すも…
【ダーインスレイヴ】 安心しろ、マスター
【ダーインスレイヴ】 このわたしが、 全てを完璧に 監督してやるからな
冷徹な瞳がギラリと鋭く光った
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