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数日後―――
ダーインスレイヴとの いざこざを思い返しながら、 町を歩いているマスター
…と、そこで彼女を見つける
【ダーインスレイヴ】 そう、正解だ 偉いぞ
なにしているの? 彼女に声を掛ける
【ダーインスレイヴ】 …マ、マスター
【ダーインスレイヴ】 少し…算数をな
意外にも、 彼女は子供達に 勉強を教えていた
【ダーインスレイヴ】 べ、別にいいだろ? 門限には、まだまだ 時間もあるし
そんなこんなで、 マスターは彼女と 会話をすることに
【ダーインスレイヴ】 いきなり声を掛けられた時は、 正直驚いたよ
驚いたのはこっちだよ …と、マスター
【ダーインスレイヴ】 どうして?
子供と接している時の目は優しく いつもの雰囲気とは違うね とマスター
【ダーインスレイヴ】 ……そうかな
【ダーインスレイヴ】 昔から……
【ダーインスレイヴ】 厳格で的確な 判断力があると評価されて、
【ダーインスレイヴ】 監視や管理を 任されることが多かった
【ダーインスレイヴ】 わたし自身、 人を監督することは 性に合っていると思っている
だから、子供達に勉強を? マスターが尋ねる
【ダーインスレイヴ】 ああ
【ダーインスレイヴ】 あの子供達は貧しく、 教育が受けられない
【ダーインスレイヴ】 しかし貧しいからと言って、 罪を犯すような人間には なって欲しくない
【ダーインスレイヴ】 正しい道を進めるよう… わたしが監督していく
マスターは言う 君の考えは素晴らしい 責任感も強く、立派だ
でも…
僕の隊ではすべてを 背負い込む必要はない …と
【ダーインスレイヴ】 どういう意味だ?
姫達を監督するのではなく… 仲間として、一緒に考えて 答えを出していこうよ
そう言って、 微笑みかけるのだった
【ダーインスレイヴ】 ………
【ダーインスレイヴ】 それではダメだ 誰かが厳しく律しないと、 必ず咎人が出る
そう反論する彼女に、 マスターは尋ねる
君は『法』によって 罪を罰するわけじゃなく、 己の哲学によって裁くんだよね?と
【ダーインスレイヴ】 その通りだ
マスターは続ける 先日、帰るのが遅くなって、 君に罰を与えられた姫だけど
【ダーインスレイヴ】 それがどうした?
彼女は、 帰りが遅くなった子供を見掛けて
施設に送り届けてあげたから、 戻るのが遅くなったんだよ…と
【ダーインスレイヴ】 !!
それでも彼女は咎人かな? ダーインスレイヴの目を見つめ、 問い掛けるマスター
【ダーインスレイヴ】 ………それは…本当か…?
【ダーインスレイヴ】 だとしたら、わたしは……
己のしたことを、 心に問い詰めるダーインスレイヴ
そんな彼女に、マスターが口を開く もう一度、言うよ 姫達を監督するのではなく…
仲間として、一緒に考えて 答えを出していこう…と
【ダーインスレイヴ】 わ、わたしは……
――と、その時
【ダーインスレイヴ】 …!
【ダーインスレイヴ】 町の外れに敵が…!?
報せを受ける2人
どうやら隊の姫達が、 先に戦っているらしい
行こう! と、マスター
【ダーインスレイヴ】 わ、わたしに…
【ダーインスレイヴ】 行く資格があるのだろうか…
【ダーインスレイヴ】 咎人だと一方的に決めつけ、 罰を与えたわたしこそ、 罪人ではないのだろうか…
葛藤する彼女に、 マスターは告げる みんなには…君の力が必要なんだ
【ダーインスレイヴ】 …!
【ダーインスレイヴ】 ………
マスターの目を見据え、 彼女が答えた
【ダーインスレイヴ】 わかった
【ダーインスレイヴ】 こんなわたしで良ければ… 尽力しよう
そう宣言し、 一気に駆け出すのだった
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