310383212 アルマス 疑惑の真相
あれから、数日後…
アルマスは、 直球勝負に出ることにした
【アルマス】 下手な小細工はいらないのよ 結局、直接聞くのが 一番早くて確実よね
【アルマス】 マスターのカバンはここにあるし、 教室で待っていれば、 そのうち戻ってくるはず…
【アルマス】 まだ帰ってこないの? 探しに行った方がいいのかな… でも、すれ違ったら困るし…
【アルマス】 …………
【アルマス】 …ん
待ちくたびれて 教室で眠っていたアルマスの肩を、 誰かがトントンとつつく
【アルマス】 ん~… あと、5分…
寝ぼけるアルマスに、誰かは、 こんなところで寝ていたら 風邪を引くよ、と声をかける
【アルマス】 …え? あれ?
アルマスがあわてて顔をあげると、 目の前に心配そうな表情をした マスターが立っていた
【アルマス】 マ、マスター?
【アルマス】 そっか… 私、寝ちゃってたのね
カバンを取りに来たら、 アルマスが寝ていたから驚いたよ と、マスター
【アルマス】 あ… それは、あなたを…
マスターを待っていたのだ、と 伝えようとしたその時、 クラスメイトが教室に入ってきた
部活終わりらしきクラスメイトは、 マスターを見つけると嬉しそうに笑い また一緒にやらないか、と話しかける
マスターは、いいよ、と軽く答え、 カバンを持って教室を出ようとする
【アルマス】 ちょ、ちょっと待ってよ! 私もマスターに用があるんだけど!
でも、マスターはそんなこと 言ってなかったけど、と クラスメイトは首を傾げる
【アルマス】 あ、いや、 約束はしてなかったんだけど…
なら、早い者勝ちね、と クラスメイトは マスターの腕を自分に引き寄せる
【アルマス】 でも、私はずっと待ってたのよ 早い者勝ちだっていうなら、 私が先だっていえなくもなくない?
アルマスもマスターの腕をつかみ、 引き止めようとする
そんなの屁理屈じゃない、と クラスメイトがマスターを 力任せに引っ張った
その勢いでマスターは バランスを崩し、 危うく転びそうになる
【アルマス】 ちょっと! そんなに強く引っ張らないでよ! マスターがケガしたらどうするの?
女生徒は、ぐっと言葉を詰まらせ、 マスターからそっと手を離した
だが、マスターを譲る気はないらしく 恨みっこなしで勝負しよう、と、 アルマスに対決を持ちかける
ふたりに挟まれたマスターは、 何とか止めようとするが…
【アルマス】 …いいわよ それが一番わかりやすいわ
マスターの制止も聞かず、 ふたりは臨戦態勢をとる
【アルマス】 それじゃ、いくわよ!
Next: 310383213