310383214 アルマス 絶対スクールライフ

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あの日以来、アルマスは気がつくと マスターの姿を目で追うクセが ついていた

【アルマス】 か、観察の対象だから、それだけよ！ 胸が高鳴るのも、気のせいだし！

アルマスは誰ともなく、 そう言い訳をしてごまかす

そして、マスターを観察するには 彼の人助けを手伝えばいいと考え、 今日は同行する約束だったのだが…

【アルマス】 マスターったら、 どこにいったのかしら？ 今日はちゃんと、約束したのに…

放課後の教室で、 アルマスはひとりマスターを 待ち続けた

夕方近くになっても、 マスターは教室に戻ってこなかった

【アルマス】 マスターは約束を忘れたり、 破ったりするような人じゃない もしかして、なにかあったんじゃ…

【アルマス】 …探しに、行かなくちゃ！

アルマスが席を立つと同時に、 教室の扉が大きな音を立てて開く

アルマスが驚いて顔を向けると、 そこには汗だくのマスターが 立っていた

【アルマス】 マスター…っ！？

マスターは肩で息をしながら アルマスに歩み寄り、 はぁはぁ…遅れて、ごめん、と謝る

【アルマス】 お、遅かったじゃない！！

マスターが無事で安心したのと、 心配させられた怒りがごちゃ混ぜに なり、思わず大きな声が出てしまう

本当に申し訳ない、いろいろあって… と、マスターは事情を説明する

教室に向かう途中で、ちょっとした 人助けをしているうちに、 次々と困っている人が現れて…

気がついたら学園から遠く離れた 街の外れにいた、という

【アルマス】 そんな遠くから走ってきたの？ それで、そんなに汗だくなのね…

急いで戻ってきたんだけど… 待たせちゃって本当にごめんね と、マスターは再び頭を下げる

【アルマス】 約束を忘れたわけじゃないし、 マスターが無事なら、 それでいいわよ

【アルマス】 だけど、もう遅いし、 今日は帰りましょうか？

マスターは、でも…と、 なにかを言いたげに アルマスを見つめる

【アルマス】 どうしたの？

なにか、自分に話したいことが あるんじゃない？ と、マスターはアルマスに問いかける

【アルマス】 それって…なんの話？

マスターは、 最近のアルマスは様子が変だし、 やけに目が合うような気がするし…

もしかしたら、アルマスは… と、マスターは思わせぶりな場所で その言葉を止めた

【アルマス】 …な、なによ？

もしかしたら、アルマスは 大きな悩みがあるんじゃない？ と、マスターはまじめな顔で言う

【アルマス】 …は？

自分にできることがあれば力になる、 よかったら話してほしい、と マスターは心配そうにアルマスを見る

その顔があまりに真剣で、 アルマスは思わず笑ってしまった

【アルマス】 …ふふっ！ それなら心配いらないわ 悩んでないから大丈夫よ、安心して

アルマスの笑顔に安心したらしく、 それならよかった！ と、マスターもニコニコと笑う

【アルマス】 また、あの笑顔… 優しくて、あったかい…

【アルマス】 ふふっ… マスターには悪いけど、誰かに 心配されるのって、ちょっといいかも

どうして？ と、マスターがたずねる

【アルマス】 …自分を心配してくれる その人のために、 強くなれる気がするから

その想いは、アルマスの新たなスキル 『絶対スクールライフ』 となった

じゃあ、これからもずっと アルマスのことを心配し続けるね！ と、マスターは意気込んでみせる

【アルマス】 ず、ずっと？ それって、つまり…

【アルマス】 ずっと、一緒にいるってこと？

思わぬ告白に顔を赤らめる アルマスだったが、夕日と重なり、 マスターはその変化に気づかない

アルマスには、この学園を もっと好きになってほしいな と、マスターは無邪気に話を始める

【アルマス】 え… ええ？

みんないい人だし、綺麗な場所も たくさんある、全部教えてあげるよ と、マスターは目を輝かせた

【アルマス】 …ふふっ マスターったら子供みたい ねえ、綺麗な場所ってどんなところ？

そうだ、夕日がきれいに見える場所が あるから、今から案内しようか？ と、張り切るマスター

そんなマスターの申し出に、 アルマスも笑顔で答える

【アルマス】 じゃあ、お願いしようかな 絶・よろしくね！

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