310417213 ベガルタ 狂奏歌劇・襲
【ベガルタ】 二人はまだかな?
【ベガルタ】 どうして戻ってこないの? やっぱり私だけ 置いて行かれた
【ベガルタ】 私…ひとりぼっち…? 僕は?アタシは…
ベガルタの不安が最高潮に達した瞬間 聞き慣れた声がした
【モラルタ】 ベガ!
【ベガルタ】 …!! モラ!!
双子は どちらからともなく手を伸ばし ぎゅっと抱き合った
【モラルタ】 ごめんね、一人にして
【ベガルタ】 ううん、 戻って来てくれたから大丈夫
抱き合う二人を マスターは穏やかな表情で見ていた
【ベガルタ】 マスター、約束… 守ってくれてありがとう…
ベガルタの珍しい言葉に マスターは驚く
【ベガルタ】 …モラが戻って来て嬉しいから ちゃんとお礼はしたいの
【ベガルタ】 モラのためだけじゃなく これからは…
【ベガルタ】 マスターのことも少しくらいなら 気にかけてもいいよ
ベガルタに起こった些細な心の変化 それはマスターのバイブスとの 共鳴の証だった
共鳴は新スキル 『狂奏歌劇・襲』 を彼女にもたらしていた
ベガルタの目には、光が灯っていた
その時ふと、 マスターの様子が気になったベガルタ
走り回ったためか、 息が上がり疲れているように 映った
【ベガルタ】 マスター、あの…
マスターは、ベガルタに顔を向ける しかし、なかなか次の言葉が 出てこなかった
【モラルタ】 ベガ?
【ベガルタ】 うぅ…
もじもじしていたベガルタが 意を決してマスターに向き直る
【ベガルタ】 げ、元気がないマスターは 食べちゃうぞ~…!
【ベガルタ】 が、がおー
ベガルタは マスターに向かって行く
【ベガルタ】 食べちゃうぞ…!
【モラルタ】 あはは! ベガはマスターに元気を 出して欲しいんだ?
【ベガルタ】 さっきのハロウィンのお祭りで これをやったら みんな喜んでくれたから
【ベガルタ】 だからマスターも…
必死に自分を元気付けようとする ベガルタの姿を見て、マスターは微笑んだ
あまりにも健気なその姿に 「かわいい」と言う言葉が口から 溢れるマスター
【ベガルタ】 かっ、かっ、 かわっ、かっ…
【モラルタ】 ベガってば、赤ずきんの ずきんみたいに真っ赤! おそろいだ!
【ベガルタ】 あ、赤くなってない!
【モラルタ】 真っ赤! 真っ赤! おそろい!!
【ベガルタ】 やめてってばー!
ベガルタはモラルタに じゃれつくが
胸のドキドキは なかなか収まらなかった
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