310441213 アイズ・ヴァレンシュタイン リル・ラファーガ
【アイズ】 はぁ、はぁ…
退いていく兵士達 この戦いはアイズの勝利だ
だが、当のアイズは あからさまに消耗している
【アイズ】 うっ…
よろけるアイズを 慌てて支えるマスター 怪我をしている訳ではなさそうだ
【アイズ】 疲れてたの…かな マスターの言う無理してるって こういうことだったんだね
【アイズ】 …これからは ちゃんと休みも取る
力なく話すアイズに それだけじゃない、とマスター
【アイズ】 …マスターの言うことは難しい どういうこと、なの?
アイズの戦い方はまさに戦姫と 呼ばれるにふさわしいものだと思う とマスター
だが、マスターにはアイズが 生き急いで、無茶している… そんな風に見えると話す
【アイズ】 そんなつもりはなかったんだけど…
気を張らなくていいんだよ ひとりで抱えなくていいんだよ と、マスターはアイズを諭す
【アイズ】 私は気を張ってた…かも 知らない世界に来て 自分でも知らないうちに
【アイズ】 …無茶をしないには どうしたらいいのかな
あどけない少女のような アイズの問いにマスターは そうやって頼ってくれればいいと話す
【アイズ】 頼る?
頷くマスター 僕や斬ル姫達、仲間を頼って くれればいいんだよ、と続ける
【アイズ】 …そっか、頼ってもいいんだ 私、忘れてたみたい
【アイズ】 ここにはファミリアの仲間もいない …私を救ってくれる英雄も現れない
【アイズ】 だから、私が強くないとだめ そう、思ってた
【アイズ】 でも、頼っていい人は いたんだね、マスター
アイズのまっすぐな瞳に 思わずドキリとしてしまうマスター
アイズが気付いた、頼れる相手である マスターとの信頼を感じる
【アイズ】 マスターはずっと 私のことを見守ってくれた 支えようとしてくれてた
【アイズ】 だから、私も応える
ふたりの信頼は新たな力 『リル・ラファーガ』 となり、アイズに宿る
そんなマスターとアイズのもとへ がちゃがちゃとした複数の足音が迫る
【アイズ】 増援…呼んだみたい
多勢に無勢 それもアイズが疲弊しているのに と心配するマスター
【アイズ】 大丈夫、問題ない
だが、そんな状況にも関わらず 穏やかな雰囲気のアイズの一言に マスターの心配は吹き飛ぶ
【アイズ】 すぐに終わらせるから
アイズの新たな力は 敵兵士達を圧倒する
戦いの姫とはアイズのことだ そう誰もが口をそろえて言うだろう
【アイズ】 …ふぅ
戦いを終え、息を吐くと アイズはぺたんと座り その横へとマスターを誘う
【アイズ】 えっと、その… ちゃんとお礼、言えてなかったから
マスターはアイズから 感謝の意を賜るのだった
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