310502961 初心者クエスト 未分類 セブンスクエスト~新鋭なる姫達の覚醒~ セブンスクエスト~新鋭なる姫達の覚醒~ アスカロン編 1 - セブンスクエスト~新鋭なる姫達の覚醒~ アスカロン編覚醒 アスカロン編覚醒 アスカロン編覚醒 戦闘前
自分自身のキラーズと 向き合うと決意してから 1ヶ月が過ぎた
嫌疑を受けたマスターが 査問にかけられる運命のその日、 アスカロンは草原を駆けていた
その先にはマスターと、 そのマスターを連行する ティルフィングの姿があった
【アスカロン】 ハァ、ハァ… ティルフィングさん…! 待ってください!
【ティルフィング】 …………
ティルフィングは立ち止まって 振り返り、アスカロンを見据える
【アスカロン】 お願いします… マスターを…解放してください!
【ティルフィング】 それはできません
ティルフィングはそういって 深いため息をつく
【ティルフィング】 はぁ… マスターが処刑目前だというのに、 危機感がないようですね
【アスカロン】 え…
【ティルフィング】 アナタからは敵意が感じられません 本気でマスターを 助ける気はないのですか?
【アスカロン】 そ、それは違います! マスターのことを信じていますし、 助けたいと思っています!
【ティルフィング】 それなら、私と戦って 勝利することでしか マスターを救う術はありません
【アスカロン】 …どうしても あなたと戦わないと いけないんですか?
【ティルフィング】 何度も、そう言ったはずですが
【アスカロン】 私は…ティルフィングさんを 信じているんです きっと、マスターよりもあなたを…
【ティルフィング】 ……
【アスカロン】 あなたは私にとって憧れの存在です ずっとその背中を見てきました
【アスカロン】 あなたが誰よりもマスターを 信じていて、どれだけ大切に 思っているかも知っているつもりです
【アスカロン】 そのあなたがマスターの査問に 反論せず従うというなら それだけの理由があるのでは、と…
【アスカロン】 あなたがマスターを裁くというなら、 マスターは裁かれるべきなのではと、 ……そう思って……しまったんです
【ティルフィング】 …………
【アスカロン】 私には何が正しいのか、 もう…わからないんです
【ティルフィング】 前の戦いでも、 アナタの迷いは感じていました
【ティルフィング】 アナタはほかのセブンスの サポートとして立ち回っていたのは 私と戦う気がなかったからですね
【アスカロン】 …………
【アスカロン】 …マスターにも セブンスのみんなにも 申し訳ないと思っています
【アスカロン】 だけど、私はあなたに 剣を向けることが どうしてもできないんです…
【アスカロン】 だから、お願いします! 私を…斬ってください!!
【ティルフィング】 え…?
【アスカロン】 私が斬られて散ったのであれば、 みんなも納得してくれると思うんです
【アスカロン】 私が剣を抜いて戦っても きっと結果は同じですから、 これが一番いい方法なんです!
【アスカロン】 いえ、違いますね… これは言い訳です
【アスカロン】 私は死によって 逃げようとしているだけですね
【アスカロン】 みんなからも マスターからも そして、あなたからも…
【ティルフィング】 …そうですか アナタが本心で望むのなら その願い、叶えてあげます
【アスカロン】 …ありがとうございます
ティルフィングは剣を抜き、 振りかぶる
アスカロンはティルフィングの その姿を見上げた
【アスカロン】 世界を救った女神ティルフィング… 私情を挟むことなく正しいことを行う あなたの姿は私の憧れでした
【アスカロン】 ティルフィングさん… あなたに憧れてよかった あなたに斬られるなら本望です
そう言って微笑むアスカロンを見て ティルフィングの動きが止まる そして、ゆっくりと剣を下げた
【アスカロン】 え…?
【ティルフィング】 もう…疲れました
ポツリとつぶやいた彼女の瞳には 哀しみの色が混ざっている
【アスカロン】 ティルフィングさん、 どうしたんですか? こんなの、あなたらしくない…
【ティルフィング】 私らしい…? 私らしいってなんですか? 正義のために非情であることですか?
【アスカロン】 え?
【ティルフィング】 私は…… 世界を救った私は女神と呼ばれ、 崇められる存在となりました
【ティルフィング】 ですが、世界を救ったのは 私だけの力ではありません
【ティルフィング】 託された使命と、 そして何よりマスターがいたから 私は戦えたんです
【ティルフィング】 マスターは私にとって 大切で、かけがえのない 存在です
【ティルフィング】 私にとって、 全てだといっても 過言ではありません
【ティルフィング】 この世界とマスターのどちらかを 選べと決断を迫られたとしたら……、
【ティルフィング】 私はマスターを選びたい…
【アスカロン】 ティルフィングさん…
【アスカロン】 私はどうして 気が付かなかったんだろう…
【アスカロン】 ティルフィングさんが どれだけマスターを想っているのか 知っていたはずなのに…
【アスカロン】 彼女が抱くマスターへの想いは 世界を天秤にかけても、 釣り合わないほど深いことも…
【アスカロン】 私は間違っていた…
【アスカロン】 あなたがマスターを処刑の地へ 連れて行くなんて… そんなことは「ありえない」んですね
【ティルフィング】 …ですが、そんな私の想いなど 人々が許すはずはありません あなたもそうでしょう?
【ティルフィング】 ティルフィングは世界を救った女神… これからも平和を象徴する存在で あり続けなければならないのです
【アスカロン】 …………
【ティルフィング】 私はそのことに、もう疲れました
【ティルフィング】 こんなこと、誰にも言えませんでした ですが、これから私に斬られる アナタになら…構いませんよね?
【ティルフィング】 最後に私の想いを聞いてくれて ありがとうございました… では…
ティルフィングは剣を振りかぶり、 アスカロンに向かって振り下ろす
【ティルフィング】 …っ!
【アスカロン】 す、すみません! あの…どうしても やりたいことができました
【アスカロン】 私はずっとあなたに憧れていました 少しでも近づきたくて、 たくさん努力してきました
【アスカロン】 そのおかげで、私はここまで 強くなることができました あなたには感謝してもしきれません
【アスカロン】 だから… せめてもの恩返しを させてください
【アスカロン】 私があなたに引導を渡して、 あなたを自由にします!
【ティルフィング】 アナタが、私を? それがどういう意味か わかってるんですか?
【アスカロン】 平和の象徴であるティルフィングを 倒せば、その汚名は一生つきまとう…
【アスカロン】 私は逆賊と呼ばれて、 この天上世界そのものを 敵に回すことになるでしょう
【ティルフィング】 それがわかっていながら…なぜ?
【アスカロン】 あなたが背負ったものを降ろすこと… それが、あなたに対しての恩返しです 私にできることはそれぐらいですから
【ティルフィング】 その想いを達成するには 私に勝たなければならないんですよ?
【アスカロン】 はい、必ず勝ちます!
【ティルフィング】 ふっ…
【ティルフィング】 その言葉、確かめさせてもらいます
【アスカロン】 望むところです!
Next: 310502963