320011201 ミョルニル・獣刻・キマイラ 自由と無責任の違い
【ミョルニル】
トレイセーマを出て、
わたしは楽しくやってると
思ってた
【ミョルニル】
心の奥に隠してたものを、
“あの子達”に見透かされるまでは
マスターの隊に また新しく姫が入隊した
【ミョルニル】
はぁ～い！
【ミョルニル】
キマイラを獣刻（プラント）されて
パワーアップした
ミョルニルちゃんだよぉ～！
【ミョルニル】
ってことで、みんな
よろしくね～♪
…と、 隊の姫達に挨拶をしていると…
【ミョルニル】
あっ！
【ゲイボルグ】
…！貴様は…
お互いの顔を見て、 驚くミョルニルとゲイボルグ
【ミョルニル】
あ～、久しぶり～！
キミもこの隊だったんだ～！
【ゲイボルグ】
…………
【ミョルニル】
懐かしいな～♪
トレイセーマにいた頃以来だね～
【ゲイボルグ】
…少し…
変わったな…
【ミョルニル】
そっかな～？
あ、もしかして
可愛くなった！？
【ゲイボルグ】
…………
【ミョルニル】
あはは、なんてね！
てことで、
こっちでもよろしく～♪
【ゲイボルグ】
…ああ
それから数日が経った ある日の戦闘で─
【ミョルニル】
いっくよ～～～っ！
敵に向かって、 とてつもない速さで駆けて行く ミョルニル
【ミョルニル】
大蛇のシッポで
ぺったんこにされたい！？
【ミョルニル】
それとも…
火を吹くライオンさんで
メラメラ燃やしてほしいかな！？
【ミョルニル】
ね、ヤギさん！
どっちがいいと思う！？
頭に乗った小さなヤギと相談しながら 獣のような俊敏な動きで 敵を駆逐していく
その無邪気な性格とは裏腹に、 鬼神のような強さを持っている彼女
【ミョルニル】
あは、勝った、勝った♪
【ミョルニル】
良かったね、みんな！
明るく天真爛漫な性格の奥に 時折見える“威圧感”
【ミョルニル】
…じゃ、帰ろっか
ね、ヤギさん
隊の姫達は、いつしか彼女に 恐怖心を抱くようになっていた
そんな、ある日─
【ミョルニル】
ねぇ、ヤギさん
彼女は草原に一人佇み、 頭のヤギに語り掛けていた
【ミョルニル】
ミョルニルちゃん…
みんなに嫌われちゃったかな…？
【ミョルニル】
せっかく隊に入れてもらったけど…
なんだか居心地悪いって言うか…
【ミョルニル】
もう…ここに
いない方がいいのかな？
【ゲイボルグ】
なんだ？家出の相談か
【ミョルニル】
わっ！！
【ミョルニル】
ビ、ビックリした～！！
【ミョルニル】
なんだ、キミか～！
驚かさないでよ～！
【ゲイボルグ】
そのヤギさんに
なにを相談していたんだ？
【ミョルニル】
…！
【ミョルニル】
べ、別に？
たいしたことじゃないよ
とぼけて見せるミョルニル
【ゲイボルグ】
トレイセーマでは…
【ミョルニル】
…え？
【ゲイボルグ】
戦場で協力し、
共に戦ったこともある仲だ
【ゲイボルグ】
同じ環境にいた者同士…
分かることもあるかも知れない
そう言うと真剣な目で、 彼女を見据えるゲイボルグ
【ミョルニル】
…………
【ゲイボルグ】
ヤギさんより
頼りにならないかも知れないが…
良ければ話してみないか？
【ミョルニル】
…あ、あのね
不愛想に見えるが 瞳の奥に優しさを宿すゲイボルグ
ミョルニルは、そんな彼女に 己の心のうちを語り始めた
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