320131212 レシェフ・獣刻・ネルガル 闇とは別の陰り
【レシェフ】
み…見たなぁぁっ！！
マスターを発見したレシェフは、 斧を振り上げ、 猛烈な勢いで襲い掛かってきた
【レシェフ】
はぁぁぁっ！！
わぁぁぁぁぁぁっ！！ 悲鳴を上げるマスター
ピタッ！！
【レシェフ】
…チッ
だが彼女の斧は、 マスターの頭上寸前で 止められていた
そして、 マスターに凄んで こう言うのだった
【レシェフ】
ここで見たこと…
誰にも言うなよ！
…え？どうして…？ 恐る恐る尋ねるマスター
【レシェフ】
もし、誰かに言ったら…
闇の力でお前を
干からびさせてやるからなっ！
脅しをかけ、 その場を去ろうとする彼女
だがマスターは、その背中に言う 悩んでいることがあったら、 僕に話してよ…と
【レシェフ】
なに…？
【レシェフ】
なんで…？
だって君の目には… “闇”とは別の陰りがあるから そう答えるマスターだった
【レシェフ】
！！
【レシェフ】
何て奴だ…
そこまで見抜かれたのは
初めてだ…
【レシェフ】
……チッ
【レシェフ】
しょうがねぇな
彼女は、マスターに語り始めた
【レシェフ】
あたしが獣刻されたのは、
太陽神であり
冥界の統治者・ネルガル
【レシェフ】
でも獣刻された時、
ネルガルの闇の力は
失われていた…
【レシェフ】
せっかく冥界の統治者を
獣刻されたのに…
その力を使えないなんて…
【レシェフ】
これじゃ…
獣刻の意味がないだろ…！
【レシェフ】
後からでも闇の力を持ってしまえば
関係ないだろうと思って、
秘術の特訓をしてたけど…
【レシェフ】
くそ…
どれも望むような結果は
得られなかった！
マスターは理解した
自分を強く見せたい、 失望させたくない
その事実がバレないよう 彼女は尊大に振る舞い、 みんなを遠ざけていたのだ
【レシェフ】
おい、マスター
【レシェフ】
このことは…
みんなに黙ってろよ？
と、マスターに訴える彼女
だが、マスターは彼女に言う
よかったよ、 ちゃんと獣刻されてなくて …と
【レシェフ】
な、なんだと…！？
どういう意味だ！？
マスターの言葉に怒りを覚える彼女
マスターは続ける だってネルガルは、 疫病をもたらしたりするんでしょ？
【レシェフ】
…！
そんな恐ろしい闇の力なんか なくったって、 君には光の力があるじゃないか
だったら、それを伸ばせばいい…と
【レシェフ】
……光の…力を…
【レシェフ】
………
【レシェフ】
ひ、人の気も知らないで…
簡単に言いやがって…！
そう言い放ち、 彼女は去っていった
数日後――
偶然、兵士に見つかり、 戦闘になる
その中で一人、 レシェフは葛藤していた
【レシェフ】
光の…力……
【レシェフ】
あたしは…どうすれば…
右腕の眩きヒカリ、 色が黒いだけの左腕のヒカリを見つめ 自問自答を繰り返すのだった
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