320162211 シタ・聖鎖・メタトロン クリスマスver. 契約違反
【シタ】 この衣装、とっても暖かいです! ありがとうございます、マスター
任務の関係で訪れたその街では しんしんと雪が降っていた
今日は一段と冷えるからね 暖かい服があってよかった とマスターはほっと息を吐く
【シタ】 もうっ、わたしのことだけじゃなく マスターも暖かくしてください!
【シタ】 風邪をひいてしまいますよ 今、風邪が流行しているんですから
【シタ】 クリスマスはみんなと楽しく過ごす そういう約束です これでは契約違反になっちゃいますよ
いやいや、そんなに寒くないから 大丈夫だよ とマスター
【シタ】 いやいや、マスターが暖かく しないのは契約違反です!
クリスマスを楽しく過ごそうと 約束はしたが、契約までは 結んでいないはずだ
契約の天使メタトロンが内包されて いるシタは、何かと契約だ! と少々お堅いところがある
しかしマスターにとっては 約束を決して違えない 頼もしいキル姫だ
【シタ】 でももし風邪を召してしまったら… わたしが一日中看病しますからね… ふふ、ふふふ…
すこし照れたような表情を浮かべながら 微笑むシタ
【シタ】 はっ、すみませんマスター つい変なことを う、浮かれてしまいました
そっか、浮かれてただけか… とマスターはひとまず納得する
街では冬の祝祭が開かれており 大いに賑わっている 酒気に酔うこともあるだろう
【シタ】 き、綺麗なお祭りですよね~ ついつい浮かれちゃいます!
【シタ】 ろうそくがいっぱいで… 本当に綺麗なお祭りです ミトゥムちゃんにも見せたかったなぁ
それなら、プレゼント交換も しないとだね、とマスター
【シタ】 プレゼント交換? なんですか、それ?
聞いた話だと、この街では知人と プレゼントを贈り合う風習が あるみたいだよ、とマスターが言う
【シタ】 それは素敵な風習ですね
【シタ】 …って、あれ、マスター あの人どうしたんでしょう…?
シタに袖を引っ張られ、見れば 汗を垂らして大きな荷物を 運んでいる男の人がいた
マスターが どうされたんですか? と事情を尋ねてみると…
毎年、この時期は大忙しなのだが 風邪が流行っているせいで 人手が足りていないのだという
【シタ】 …マスター!
シタは力強い眼差しで マスターを見上げた
うん、とマスターは頷き返して 荷物運びでよければ手伝いますよ と男の人に伝えた
【シタ】 やりましょう、マスター! 力仕事なら任せてください!
ふんっ、と細い二の腕を アピールするシタ
シタとマスターは荷物を抱えて 配達のお手伝いを始めるのだった…
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