320191203 シユウ・D. plug・ベルゼブブ 縦横無尽に駆ける死
次の日―
マスターは、朝から シユウと一緒に街に出掛けた
【シユウ】
マスターはどこにいきたいんだ？
そう尋ねてくるシユウにマスターは シユウの行きたいところに行こう、 と告げる
【シユウ】
ほんとうにいいのか！？
ぜんぶ、シユウのやりたいことやって
いいんだな！？
シユウのことを 信じているから大丈夫―
そうマスターが頷いてみせると、 シユウは子供のように 街の中を駆け回る
【シユウ】
わかった！
すきなこといろいろ
やってみるからなっ！
買い物、食事、遊び… 全部、彼女に一任した
問題が起こらなかったわけではないが 彼女は相談しつつも ひとりで解決していった
【シユウ】
あははは！たのしいな、マスター！
なんだか、こんなのはじめてだ！！
その笑顔はキラキラと輝いていた
隊の姫と揉めた時のような、 イライラした表情が嘘のようだった
そして、昼頃― 拠点に帰ってきたシユウは…
【シユウ】
ありがとうな、マスター！
シユウ…
すっごくたのしかったぞ！
【シユウ】
なんでだろうな～？
しばらく考え込む彼女 そして…
【シユウ】
あ、わかった！
【シユウ】
きょうはマスターに
“しんじて”もらえたからだな！
【シユウ】
ケイオスリオンでも、
シユウはけっこう
“じゆう”にやってたけど…
【シユウ】
いやなことは
いやっていえなかったし
さいごは“めいれい”されてた
【シユウ】
あれは“めいれい”のなかの
じゆうだったのかな
【シユウ】
でも、きょうはますたーに
ぜんぶまかせてもらえたからな！
【シユウ】
だから、
うれしかったんだ！！
マスターのしんらいをかんじられて！
【シユウ】
…そっか！
わかったぞ、マスター！
【シユウ】
これが“せきにん”って
やつか！？
まだ幼さの残る口調で、 嬉しそうに尋ねてくる彼女に マスターはしっかりと頷く
【シユウ】
へっへっへ、そうか！
【シユウ】
ほんとうの“じゆう”ってのは、
“せきにん”を
もつってことだったのか！
【シユウ】
やったぁ！
シユウ、“せきにん”を
ゲットしたぞ！！
ただのわがまま放題と、 自由の違いを彼女なりに 解釈したようだ
【シユウ】
ありがとうな、マスター！
シユウにほんとうの
“じゆう”をくれて！！
これからも自由にやっていいから、 だから…みんなと仲良くしてね、と 彼女に微笑みかけるマスター
【シユウ】
うん、わかった！
シユウ、なかよくする！
【シユウ】
もうケンカはしないぞ！
じゃあ、これはご褒美 紙袋の包みを渡すマスター
【シユウ】
ありがとう、マスター！
シユウ、みんなとなかよくして…
【シユウ】
マスターをたすけていくぞ！
【シユウ】
だから…これからもよろしくな！！
その笑顔は、 キラキラと輝き、 とても眩しかった
Next: 320191204