320201212 天使ハルパー 差し伸べられた手
マスターから逃れるように 歩き出すハルパー
マスターは彼女を追いかける
【ハルパー】
なによ、しつこいわねぇ？
ようやく彼女に 追いついたマスターは、 気になっていたことを尋ねてみた
どうして、逃げるの？と
【ハルパー】
べ、別に逃げてなんか…
もしかして、これは… 君の仕業なの？ と、壊れた備品を見せる
【ハルパー】
………
【ハルパー】
どうして、そう思うのかしら？
壊されていた物には、 すべて握ったような跡があったから と答えるマスター
【ハルパー】
…！
君の象徴である巨大な腕… そして、さっき君は咄嗟に 手を引っ込めた、と指摘する
【ハルパー】
そ、それがなんだって言うの…？
それだけで私が握り潰したとでも
言いたいの…？
そうじゃない、でも… 教えてよ、君になにがあったのか？ その問いに対し、彼女は…
【ハルパー】
………
【ハルパー】
仕方ないわね…
あなたには
隠し通せないようだし…
彼女が己の過去を語り始めた
【ハルパー】
あなたの隊に来て…
あなたの理想に共鳴し…
あなたのために戦おうと思った
【ハルパー】
こんな私だけど…
感謝しているのよ
【ハルパー】
だから私は…
【ハルパー】
本気であなたの
右腕になりたいと思った
【ハルパー】
そう思って、毎日戦っている
【ハルパー】
でも…
【ハルパー】
あなたを守りたい…
【ハルパー】
その想いが強くなればなるほど…
じ、自分の力が…！
制御できなくなるの…！！
力の暴走に耐えられないのか、 彼女の腕が震える
そして近くにある木に触れただけで、 大木はひしゃげて折れてしまった
【ハルパー】
離れて！
【ハルパー】
私が聖鎖されたのは、
戦を司る天使…
【ハルパー】
力が暴走すれば…
あなたを傷つけてしまうわ…！
彼女の悲痛な叫びが、 静かな森に木霊した
――と、その時、
【ハルパー】
！！
２人の前に敵軍が現れた
【ハルパー】
くっ！下等な分際で…！
マスターを守ろうと、 敵の前に立ちはだかる彼女
だが…
【ハルパー】
……！
【ハルパー】
力を制御できず…
もしマスターを
巻き込んでしまったら…！
不安を覗かせたまま、 彼女は武器を構えた
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