320302213 リサナウト・針枷・クロノス 悠久なる聖夜の紅灯
兵士たちを退けた、 マスターとリサナウトは サンタを捜すため、屋根の上に登る
【リサナウト】 …
煙突の上で足を揃えて堂々と待つ 凍てつく風が頬を容赦なく叩き 黒い髪をバサバサとなびかせる
【リサナウト】 …風が、冷たいわね
そうやって格好つけている 彼女に向かって マスターはこう声をかけた
選択肢:
- 冬だからね → select_label_01へ
- 高いところが好きなの? → へ
- select_label_02 → …風は冷たく、荒れているねへ
そうやって格好つけている 彼女に向かって マスターはこう声をかけた
select_label_01:
【リサナウト】 冬至十日経てば阿呆でも知る… マジで風が冷たいわ
select_label_02:
【リサナウト】 バカと煙は高いところが好き と言うわね…
select_label_03:
【リサナウト】 荒れるホワイトスノウ 照らすはムーンライト 神秘的な夜ね…曇ってるけど
select_label_end:
【リサナウト】 …って 何を言わせるのよ当主様
形はどうあれ探索を続けるリサナウト そして、ついに…
【リサナウト】 はっ、見つけたわ!
リサナウトの目が サンタ役の赤い服を捉えた
間髪いれずにリサナウトが跳ぶ さすがは斬ル姫 屋根から屋根へ華麗に飛び移る
【リサナウト】 ここで会ったが百年目 さあ、痛い目を見る前に プレゼントが入った袋を渡すことね
…まるで物盗りのような台詞だ 誤解を招かないようにマスターは サンタ役の人へ事情を話す
事情を聞いたサンタは 荷物の中から小振りな箱を取り出し リサナウトへ差し出した
【リサナウト】 これよ!これこれ! はぁ、よかったぁ
【リサナウト】 さあ、今度こそ当主様は 喜び咽び泣くことになるんだから!
自信満々のリサナウトから プレゼントを受け取り 開封するマスター
中に入っていたのは きれいな水晶でできた…
マスターの像だった
妙にディティールが凝っている 凄いといえば凄いのだが…
首の部分がもげていた
思わず不吉だな、と思ってしまう マスター
【リサナウト】 え? く、首が取れてる…っ!? …そ、そんな、一体いつの間に!?
がくりと項垂れるリサナウト
確かに壊れてしまっているが それでも彼女が作ってくれた 立派なプレゼントである
嬉しいよ、ありがとう マスターは素直にお礼を告げた
【リサナウト】 嘘よっ!そんな不良品を貰って 嬉しいはずがないわ 同情は止めてっ
リサナウトはマスターから プレゼントを取り上げてしまう
自棄になっているリサナウトへ マスターは優しく話しかける
確かに壊れていたことは残念だった だけど、僕を思って リサナウトは頑張ってくれた
プレゼントを作ってくれたことと 渡そうと頑張ってくれたこと
その気持ちが嬉しいんだよ とマスターは伝える
【リサナウト】 そ、そんなことって…
だから、ありがとう
【リサナウト】 …っ 当主様…
このプレゼントだけじゃなくて 君の気持ちもプレゼントのうち なんじゃないかな
物が壊れたとしても 君の気持ちは壊れてないでしょ? 素敵な贈り物をありがとう、と
【リサナウト】 …壊れていない 物以上の、私の想い…?
マスターは笑顔で頷いた
リサナウトは プレゼントは物以上に 想いも大事だと知った
『悠久なる聖夜の紅灯』が 彼女に贈られた瞬間だった
【リサナウト】 …ありがとう
それに…と マスターが付け加える
プレゼントを追うのは大変だったが リサナウトと一緒にいられて 楽しかったよ、と
【リサナウト】 …もう 当主様は相変わらずね
おほん、と咳払いをして 仕切り直すリサナウト
【リサナウト】 …それじゃ ちょっと格好悪いところも あったけれど、いいかしら?
改めてプレゼントを差し出す彼女へ ありのままでいいんだよ、と マスターは笑顔で手を伸ばした
【リサナウト】 ふふっ、大切にしてね、当主様
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