330011213 ロンギヌス・聖鎖・ガブリエル 楽園の墓標
【ロンギヌス】 当時の私は 『セイントキラーズ』という立場から 教皇様を信じていました
【ロンギヌス】 でも、それは…
【ロンギヌス】 “盲信”に近いものでした
【ロンギヌス】 当時から私は… 教皇様の思想が最良だとは 思っていませんでした
【ロンギヌス】 なんと言うか… あくまで現状における 最適解だと感じていたのです
【ロンギヌス】 その当時も… お祈りは欠かさずやっていました それは…
【ロンギヌス】 私の中で“完璧”ではない 教皇様への信頼…
【ロンギヌス】 その不完全な信頼に対しての 懺悔も含まれていたのだと思います
だから、僕のことも…? マスターが尋ねる
【ロンギヌス】 マスター個人の性格や、 資質を疑っているわけではありません
【ロンギヌス】 己の“主君”を 100%信用していいのか… ずっと心にわだかまっているのです
…と、暗い影を落とすロンギヌス
そんな彼女にマスターは告げる
きみの言葉で僕は反省した 怪我をしている彼女に 悪いことをしたと…
【ロンギヌス】 い、いえ、それは…
そこで…こんなものを作ってみたんだ
【ロンギヌス】 …え?
マスターが取り出したのは、 背負子のような木製の器具
【ロンギヌス】 な、なんですか…それ?
非常時に人を乗せて歩ける… その名も『背負えるくん』だ!
【ロンギヌス】 …は?
怪我している仲間はこれを使って…
僕が運ぶ!
【ロンギヌス】 !!
その言葉に驚く彼女
【ロンギヌス】 マスターが…?
きみの言う通りだった 僕は斬ル姫の力を信じ過ぎていた、 頼り過ぎていた
それこそ“盲信”に 近かったかも知れない
【ロンギヌス】 …!
だから、これからは その認識を変えていこうと思うんだ
【ロンギヌス】 …マスター
彼女のペンダントが 光を放ち始める
マスターの言葉に、 彼女のバイブスが共鳴したのだ
【ロンギヌス】 そこまでしてくれる… 主君がいるなんて…
【ロンギヌス】 今、私の中で… なにかが弾けて 輝き始めた気がします…
それは彼女の新スキル 『楽園の墓標』 覚醒の瞬間だった
【ロンギヌス】 ハルモニア教皇国では…
【ロンギヌス】 そのように 斬ル姫の意見が尊重されることは ほとんどありませんでした
【ロンギヌス】 でも、あなたは違う… 私の言葉を真摯に受け止め… 己を顧みて、変えてくださる…
【ロンギヌス】 そんな人に使役を解かれて… 本当に良かった
【ロンギヌス】 私は…あなたを信じていく そう決めました
【ロンギヌス】 これからも… ずっとあなたの側にいます
そう言って、照れた笑顔を見せる彼女
草原に爽やかな風が吹いた
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