330051211 ルーン・獣刻・ヒュドラー すべて己の為だけに
マスターの元に、 また新たな姫が入隊した
【ルーン】 私の力を借りたいというのはお前か? 悪くない…
【ルーン】 ただし、条件がある 戦場には必ず私を連れて行け
【ルーン】 このルーン・獣刻(ぷらんと)・ ヒュドラーが…あらゆる敵の身も心も 絶望の淵に追い落としてやろう
ニヤリと笑みを浮かべる彼女
それがマスターとルーンの 出会いだった
それから数日後……
【ルーン】 ………
好戦的な物言いだったが、 普段は物静かで落ち着いた雰囲気の ルーン
【ルーン】 え?戦闘会議…?
【ルーン】 …いや、私は実戦専門だから
【ルーン】 相手を痛めつけさえできれば、 それでいいんだ
そんな感じで、 仲間同士の話し合いに 興味を示さない彼女
【ルーン】 軍議は任せる そっちで勝手にやってくれ
歩み寄ろうとしないことと、 徹底的に相手を痛めつける 戦いをすることから
他の姫からは少々、 怖がられている
そんな彼女に声を掛けるマスター
【ルーン】 あん?なんだ?
君にも、隊の話し合いに 参加して欲しいんだ と、ルーンを誘う
【ルーン】 なんだよ? 私に文句あるのか?
ギン!と、ガンを飛ばし、 ケンカ腰に対応する彼女
だが、マスターは 隊の結束力も大事だよ と、へこたれない
【ルーン】 ほぉ、おもしれぇ だったら、力づくで 参加させてみろや!!
いや、それじゃ意味ないから と答えるマスター
【ルーン】 なんだよ、やんねぇのかよ?
もし参加してくれたら、 明日の戦闘、最前線に配置するよ とマスターが提案する
【ルーン】 マジ!?
【ルーン】 って、私を買収する気かよ! とんでもねぇマスターだな!!
【ルーン】 …とは言え、 この私にビビらず ズケズケ言ってくるとは…
【ルーン】 悪くない
マスターを気に入るルーン
なぜなら…
【ルーン】 おもしれぇ… いつかこいつを屈服させてやる!
その日以降、マスターへの言動が どんどんエスカレートしていく彼女
日常生活では……
【ルーン】 おい、マスター! 私と一緒に買い出し担当だよな!?
【ルーン】 この15人分の食料、 一人で運んでくれ!
とんでもない無茶ぶりを されるマスター
また戦場に出れば……
【ルーン】 ハッハー! まだまだ血が足りねぇ! さっさと次の戦場へ行くぞ!!
マスターの指示は的確なため、 伸び伸びと戦えて満足げなルーン
その裏ではルーンが やりすぎないように 交戦位置を調整するマスター
【ルーン】 よぉ、マスター お前の隊での戦闘は、 楽しくていいな
嬉しそうに語る彼女に、
面白がるだけじゃなく、 仲間のことも気に掛けてね …と、お願いするマスター
【ルーン】 ハッ!前にも言ったろ?
【ルーン】 私は相手を痛めつけさえできれば、 それでいい
【ルーン】 他の奴らは、 他の奴らで勝手にやってくれよ
聞く耳持たずのルーンだった
そんな、ある日――
【ルーン】 あん、なんだ? 騒がしいな
マスターの隊に、 ある報せが入った
【ルーン】 なんだと? 近くの村が大勢の敵に 襲われてる…?
【ルーン】 …ってことは、私の出番だな!!
村に向おうとするマスター
【ルーン】 今日は、どんな敵がいやがんだ?
彼女も、新たな戦闘に ワクワクしている
【ルーン】 ん?なんだよ、マスター?
【ルーン】 なんか言いたいことでもあるわけ?
このままでは 大切なことを 見落としてしまう
そんなことを思いながら 彼女を不安げに見つめる マスターだった
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