330151211 佐倉 杏子 おせっかい焼き
【杏子】 …………
マスター達は旅に必要な 資材の調達のため とある街へと訪れていた
そのメンバーの中で 異なる世界から来たという 杏子はずっと不服そうな様子だ
【杏子】 ったく、なんでこんな…
杏子の機嫌が悪い理由 それは今の服装にあった
似合っているのに と、マスターはさらりと言う
【杏子】 はぁ!? 似合ってるとか そういう問題じゃないだろ
【杏子】 それに、そもそも あんたらが着ろって言うから 着てるだけだし…
何にせよ、変装しないと まずいことになるから とマスターは杏子をなだめる
その理由は、街に入ってすぐ 杏子は街の警備員と騒ぎを 起こしてしまったというもの
【杏子】 …迷惑かけたのは悪かったよ
事の発端は喧嘩の仲裁 しかし、その方法があまりにも 強引な両成敗だった…
【杏子】 だから悪かったって ああでもしないと 止まらなかったんだからさ
結果として騒ぎは大きくなり 侵入していたことがバレた マスター達は警備員と戦闘になった
その戦闘の際に杏子の服が 汚れてしまったのを気にした 斬ル姫が着替えを持ってきたのだ
【杏子】 別に汚れなんて どうでもよかったのにさ
【杏子】 あんたら、 ホントおせっかい焼きだな
そうかな? とマスターは返す
【杏子】 ま、変装にもなるなんて 理由までつけられたら 断る訳にもいかねーしな
【杏子】 おっ、向こうに なんかうまそうな店があるな
そう言うと杏子は マスターを見つめニヤリと笑う
【杏子】 あんたも食うよな?
自分の分は気にしないでいい と返すマスター
【杏子】 そうか? あとで欲しくなっても 知らないからな~?
大丈夫、とマスター 何せ、この買い食いは 杏子の機嫌取りなんだから…
【杏子】 …………
マスターとそんなやりとりを していた杏子が突然黙るので どうかしたのか、とマスターは聞く
【杏子】 …あれ、見ろよ
杏子の視線の先には 兵士から足蹴にされている少女がいた
理由はわからないが その光景に対して酷い… と思わず漏らしてしまうマスター
【杏子】 …だよな やっぱああいうのは 見過ごせないよな
そう言うと杏子は 駆け出して行くのだった
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