330151212 佐倉 杏子 世話焼きのお人よし
【杏子】 あんたまでついて 来なくてもよかったのにさ
そうはいかない と答え、マスターは杏子の隣を歩く
【杏子】 勝手に動いたのはアタシなのに… 本当にあんたは 世話焼きのお人よしだな
それは杏子だって同じだ とマスターは返す
マスター達が森に来ているのは 杏子が助けた少女が理由だ…
【杏子】 悪いヤツらは これで全部追っ払ったな
【杏子】 で、あいつらはなんで あんなことしてたんだ?
杏子は助けた少女を抱き起こすと 何があったのかと話を聞く
少女は戸惑いながらも 少しずつ語り始めた…
【杏子】 それじゃあ、あいつら あんたの妹を見殺しに しようとしてるもんじゃないか!
少女の話の内容はこうだ
少女の妹は難病を患っており その治療に使う薬の材料を 国がすべて独占しているらしい…
そこで少女はなんとかならないかと 兵士達を通じて国に願いを 伝えようとしていたのだが…
【杏子】 それであんな目に遭って…
【杏子】 …なら、アタシが その材料を採ってきてやるよ
少女に向かって そう言い残した杏子は 駆け出していくのだった
【杏子】 …あんたが来てくれて助かったけどさ
杏子は駆け出していったものの 薬の材料がどこにあるのか わからなかったのだ
場所に心当たりがあった マスターは急いで杏子を追いかけ 一緒に行くと告げたのだった
【杏子】 戻って聞けばよかっただけだし ひとりでもよかったんだけどな
だとしても一緒に行こうと 提案していたよ、とマスター
【杏子】 アタシは自分勝手な行動したのに それを怒ったりするんじゃなくて 一緒に来てくれるとか…
【杏子】 ふふっ、あんたって変なヤツだな
【杏子】 アタシがいいっていうのに 着替えさせたりするしな
【杏子】 自分達の用事もあるのに こうして余計なことに 首突っこんでもついてくるし…
【杏子】 …ほんと、変なヤツだよ
仲間だからね、とマスター
【杏子】 へ?
【杏子】 だ、だからそういうとこが 変だって言ってるんだよ!
そう言って杏子は 先に行ってしまったので 慌ててマスターもそれを追う
【杏子】 …なぁ、その材料があるのって この辺りだったりするのか?
杏子の問いにそうだと答え どうしてわかったのかと聞くマスター
【杏子】 わかりやすいったらないな ほら、あれ見てみなよ
【杏子】 独占してるってくらいだからな あいつらも探しまわってる訳だ
見つかっては面倒だ 隠れて進むことを提案するマスター
【杏子】 あんな数じゃ 敵のうちに入らないって
そこそこの数がいると マスターは思うのだが 杏子はすでに動き出していた
【杏子】 瞬殺っしょ!
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