330181203 フォルカス・聖鎖・ウリエル 審判を下す聖槍
やがて…
【フォルカス】
……裁き、完遂しました
彼女がマスターの元に戻ってくる
【フォルカス】
勝手な真似をして…
申し訳ありませんでした
頭は下げたものの、 心の中では 疑心暗鬼を募らせていた
そんな彼女にマスターは伝える “ある特質”を見抜いていたこと
だから戦場で活かすような 采配をしなかった、と
【フォルカス】
私の…特質…？
ですか…？
【フォルカス】
マスター…
私の何を見抜いていたのです？
尋ねる彼女に、 戦闘に“私情”を挟むのは危険だ と告げるマスター
仲間と連携を保てなくなったり、 精細な動きを欠いてしまうよ…と
【フォルカス】
！！
彼女はよく…
【フォルカス】
あなたに裁きを言い渡す…！
そう言っては、 敵を駆逐していた
とくにケイオスリオン兵に 対しては容赦のない非情な攻撃を 見せる彼女
なにか恨みがあるのではないか… そう強く思わせるものだった
私情… その言葉に驚くフォルカス
【フォルカス】
…いつから気づいていたのですか？
そんな彼女にマスターは告げる 良かったら話してよ、 なぜキミがそうなったのか？と
【フォルカス】
………
【フォルカス】
この人は…
私の心の奥底を……
見てくれている…
そう感じた彼女は、 マスターに心の内を話し出した
【フォルカス】
怖いのです…
【フォルカス】
私が聖鎖されたのは
天使ウリエル…
【フォルカス】
ですが…天使でありながら…
私の心の中にはなにか
ドス黒いものが棲み付いている……
【フォルカス】
その“闇”が…怖い…
【フォルカス】
そして、ケイオスリオン兵に対して、
その闇をぶつけるかの如く…
裁きを下してしまう自分が……
【フォルカス】
だから私は頼れる人間を求めた
それがマスターなのか不安で…
試すような真似をしてしまったのです
【フォルカス】
わ、私を…
許してくれますか…？
不安な顔を見せる彼女に、 マスターが答える
「闇を乗り越えることが出来れば、 キミはもっと強くなれるね」…と
【フォルカス】
闇を…乗り越える…
よかったら、 それを手伝わせてくれないかな？ とマスターは続けた
【フォルカス】
…驚きました
あなたを試していたつもりだった…
でも…全てを見抜かれていたんですね
【フォルカス】
ここまで私の
心の中に気づいてくれたのは…
【フォルカス】
いえ…
心と向き合ってくれたのは、
あなたが初めてです
【フォルカス】
私の直感に…狂いはなかった
【フォルカス】
ふふ…
やはり、あなたこそ…
私が仕えるべきお人でした
さっきまでの 不安げな顔が和らいだ
【フォルカス】
試すような真似をした非礼…
どうかお許しください
【フォルカス】
これからは私のすべてを懸けて…
あなたと共に戦います！
そう宣言し、 爽やかな笑顔を見せる フォルカス
その瞳には、 温かな風が吹き始めていた
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