330181204 フォルカス・聖鎖・ウリエル 四聖『絶対正義』
数日後―
【フォルカス】
セイントキラーズ・フォルカス、
行きます！！
再び、戦闘に赴くフォルカス
【フォルカス】
はぁぁぁぁっ！！
戦場を駆ける彼女の脳裏に、 マスターの言葉が蘇る
“闇を乗り越えることが出来れば、 キミはもっと強くなれる“
【フォルカス】
…大丈夫……
信じてください、マスター
『ザッ！』と、 ケイオスリオン兵の前に立つ彼女
【フォルカス】
…ふぅぅぅぅ
【フォルカス】
はぁっ！
沸き上がる心の闇を制御し、 冷静に攻撃を加えるフォルカス
【フォルカス】
…裁き……完了！
それは彼女が、 自分の心の弱さをひとつ 乗り越えられた瞬間だった
【フォルカス】
ありがとう、マスター
戦闘は見事 マスターの隊の勝利で 幕を閉じた
その後、 マスターと語り合う フォルカス
【フォルカス】
マスターは…
やはり私が仕えるべき人です
【フォルカス】
ハルモニア教皇国にいた頃…
【フォルカス】
私は、自分の心を
“主”に知ってもらえることは
最後までありませんでした
【フォルカス】
それに少数精鋭で構成された
社会だったので、
過ちは決して許されませんでした
【フォルカス】
結果を出し続けることだけを
求められたのです
【フォルカス】
だから…
正直、“生きている”という
感覚はなかった…
【フォルカス】
ただ毎日、任務を完遂するだけの…
物言わぬ歯車のような……
【フォルカス】
でも…今は違います！
【フォルカス】
マスターの温かさ、
優しさに出会い…包まれ…
【フォルカス】
変な言い方ですが、
戦闘の中でも“幸福”だと
感じられる瞬間があるのです
【フォルカス】
だから、今は…
毎日を生きていると
実感しています
【フォルカス】
心に…
充実した想いが
溢れています
【フォルカス】
これからも…
ずっとマスターと共に戦いたい
そう思っています
微笑む彼女
【フォルカス】
でも…
一つだけ不満を
挙げるとするなら…
「え？なに…？」 マスターが尋ねる
【フォルカス】
あなたにも…
私と同じような
“直感力”を持ってもらいたい
【フォルカス】
その力で…
私の想いを感じ取ってもらいたい
【フォルカス】
それは決して…
恋心なんかじゃありません
【フォルカス】
もっと、あなたの心と近づきたい…
その想いを感じ取って欲しいのです
「？」 言葉を発さぬ彼女に、 首を傾げて見せるマスター
【フォルカス】
でも…分かっています
それをあなたに求めるのは
酷だということは
【フォルカス】
だってあなたは、
人の悲しみには敏感なくせに…
【フォルカス】
女心には鈍感な人だから
「え？なに、なに？」 沈黙を続ける彼女に、 マスターが堪らず尋ねる
【フォルカス】
いいえ、なんでもありません
微笑むフォルカス
彼女は心で思っていた
でも…だからといって不幸ではない この人と一緒にいられることが…
今はなんとなく 幸せなのだということが
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