3301824 フォルカス クリスマス 四聖『聖誕祭の贈り物』
後日、フォルカスに誘われ 再び雪の中に浮かぶ夜景を見にきた マスターとフォルカス
クリスマスの熱はもう感じることは できなかったが、その風景が美しい ことには、変わりがなかった
しばし、沈黙が続いていたが フォルカスがやがて口を開いた 穏やかな、声だった
【フォルカス】 綺麗な風景ですが…やはりあの日には 敵わないです
【フォルカス】 やはり、あの日は特別だったんですね
少しだけ残念そうなフォルカス
しかし、 こちらが声をかけるよりも前に フォルカスは再び口を開く
【フォルカス】 ですが、このように穏やかな気持ちに なれたのは…いつぶりかわかりません
【フォルカス】 戦いの日々を忘れることはありません 油断することもありません
【フォルカス】 ですが、また…クリスマスに あの美しい風景を見ることができたら …と思っている自分がいます
【フォルカス】 できることなら…マスターと一緒に
もちろん、約束するよ とマスターは答える
【フォルカス】 ありがとうございます、マスター!
そっと小指を差し出し、 フォルカスと指切りを交わすマスター
頬を少し赤らめながら嬉しそうに するフォルカスから、マスターは 目を離せずにいた
【フォルカス】 この約束を果たすために、 来年まで生き抜かねばなりません
【フォルカス】 そしてマスター あなたのことを守り抜かねば なりません!
【フォルカス】 だから、またここに来ましょう 約束ですよ、マスター!!
二人の約束は フォルカスの心に、 確かな形を残した
それは新スキル 四聖『聖誕祭の贈り物』 という形であった
【フォルカス】 …マスター? 大丈夫ですか? 震えていますが…
ふと、寒くて震えていることに 気づいたマスター
大丈夫、とフォルカスに言ったが とっさにフォルカスがマスターの 手を取った
【フォルカス】 すみません、私が長時間外に 連れ出してしまったせいですね
【フォルカス】 大丈夫ですか?随分と冷えて… ひゃっ! す、すみません!とっさに!!
【フォルカス】 べ、別に変な意味ではありません! 温まればと思い、手を取って しまっただけであって!!
顔を真っ赤にしながら、 フォルカスはさっきまで取っていた マスターの手を離す
慌てるフォルカスを尻目に 温かかったのに、と マスターは残念そうな声を出す
【フォルカス】 そ、そうですか? で、では、僭越ながら…
再びそっと差し出されたフォルカスの 手は、温かかった
ふと、クリスマスは終わったのに フォルカスの服装がそのままで あることにマスターは気づく
どうして?とフォルカスに 聞いてみるマスター
【フォルカス】 それは、その… 以前、似合っていると言って くださったので…
顔を真っ赤にしているフォルカス その言葉はマスターの耳に届かず 思わず聞き返してしまう
【フォルカス】 え、えっと…とにかく、戻りましょう マスター!!
手を取りながら歩く二人 その姿が、降り出した雪の中へと 消えていくのであった
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