330251211 神令ミネルヴァ 勝利への選択
マスターの元に、 新たな姫が入隊した
【ミネルヴァ】 ミネルヴァ・ 神令(コマンド)・ オーディンです
【ミネルヴァ】 早速、戦闘ですか?
【ミネルヴァ】 承知しました
理知的な口調で返事をし、 颯爽と戦場に駆けて行く彼女
【ミネルヴァ】 はっ!
圧倒的な戦闘力で 敵を次々に駆逐していく
【ミネルヴァ】 完全なる勝利をこの手に!
その言葉通り、 彼女は敵に何もさせず 勝利を収めたのだった
そんな彼女に称賛の言葉と、 礼を述べるマスター
【ミネルヴァ】 いえ…別に…
他の姫たちも 心強い味方の登場に 沸き立っている
しかし、当の本人は…
【ミネルヴァ】 ………
【ミネルヴァ】 この私がいるのですから、 当然の結果です
…と、素っ気なく返し、 その場を後にするのだった
【ミネルヴァ】 はぁぁっ!!
その後も、マスターの隊に 勝利をもたらし続けるミネルヴァ
そんな彼女に憧れ、 仲良くなろうとする姫たち
しかし、彼女は…
【ミネルヴァ】 知識が勝利を呼び込む それだけのこと、 それが真理です
相変わらず事務的で無機質、 仲間の姫やマスターたちへも ずっと無関心なままだった
いつも冷静なんだね と、そんな彼女に 声を掛けるマスター
【ミネルヴァ】 ………そうですか?
きみの強さは認めるよ でも、もう少し仲間の声に 耳を傾けてもいいんじゃないかな?
と、マスターが彼女に言う
【ミネルヴァ】 ………
【ミネルヴァ】 マスターのように…
【ミネルヴァ】 それぞれの姫の意思を 尊重し過ぎるのは、 いかがなものかと思いますが…
いけないかな? マスターが尋ねる
【ミネルヴァ】 組織、機構に必要なのは統制
【ミネルヴァ】 “自由”ではありません
そうハッキリと告げる彼女
その時の印象は、 冷静というよりは 冷徹に近かった
そして、また 新たな戦闘の日――
【ミネルヴァ】 敵は左右に散っている ならば…
【ミネルヴァ】 あえて真ん中を叩きます!
的確な作戦の基、 次々に敵をなぎ倒していく ミネルヴァ
今回の戦闘も順調に…
――と、 思われた矢先、 小さな事件が発生した
【ミネルヴァ】 …!
ある姫が功を焦り、 独断で特攻をかけた結果、 負傷してしまったのだ
【ミネルヴァ】 ………
ミネルヴァは、 その姫を一瞥したが、 助けようとしなかった
【ミネルヴァ】 すべては… 完全なる勝利のために
その様子を見ていたマスターは 己の身を挺し、 その姫を救うのだった
【ミネルヴァ】 ………
戦闘後――
あの時、どうして仲間を 助けなかったの? マスターが彼女に尋ねる
【ミネルヴァ】 ………
しかし、彼女は黙ったままだ
これは隊の為でもあるんだよ キミの考えを教えて欲しい マスターに対し、彼女が口を開く
【ミネルヴァ】 隊にとっての絶対条件… それは勝利
【ミネルヴァ】 そのために必要なのは、 知恵と力
【ミネルヴァ】 ゆえに… 能力なき者は切り捨てる
【ミネルヴァ】 ただ、それだけです
そう告げた彼女の目は いつも以上に冷たく、 厳しいものだった
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