330251213 神令ミネルヴァ 天地制す神撃の霊槍
【ミネルヴァ】 はぁっ!!
次々に敵を打ち倒していく ミネルヴァ
今日も完璧な勝利のはずだった
【ミネルヴァ】 ………
しかし戦う彼女の頭の中には、 いつもなら存在しえない思考が 巡っていた
【ミネルヴァ】 なぜ、この隊の姫たちは… 私の想像を超えた 戦果を上げられるのだろう…
これは、彼女が隊に来た時から、 ずっと不思議に感じていたことだった
【ミネルヴァ】 マスターの命令を聞かなかったり、 独断で動いたりする姫たち
【ミネルヴァ】 そんな個人の感情は、 組織には… 勝利には不要だ
【ミネルヴァ】 だけど… この隊の姫たちの 目の輝き…
【ミネルヴァ】 彼女たちはなぜ……
――と、その瞬間、 マスターの言葉が 彼女の脳裏をかすめる
『信頼が力をくれることもあるよ』
【ミネルヴァ】 そんなこと有り得るはずが…
――と、
【ミネルヴァ】 !!
一瞬の隙を突かれ、 敵に背後を取られる彼女
【ミネルヴァ】 しまっ…!
……だが、
【ミネルヴァ】 なっ…!
彼女を救ったのは、 マスターだった
ミネルヴァはすぐに敵を倒し マスターに駆け寄る
【ミネルヴァ】 な、なぜ、私を…?
【ミネルヴァ】 油断して、 致命的な失敗を犯した 無能な私を…
【ミネルヴァ】 どうして…
マスターは答える
失敗なんか乗り越えていけばいい 次に活かせばいい …と
【ミネルヴァ】 …な
【ミネルヴァ】 なにを悠長なことを…!
【ミネルヴァ】 一瞬の判断ミスで 命を落とす戦場で、 “次”なんて…!
絶対に命は落とさせない! 僕が約束する!! マスターが叫んだ
【ミネルヴァ】 !!
【ミネルヴァ】 …約束…
マスターの言葉を受け、 彼女の心の中で “なにか”が動いた
――と、
【ミネルヴァ】 …あ!
戦場の向こうでは、 また別の姫が窮地に陥っていた!
【ミネルヴァ】 ……!
迷う彼女にマスターは告げる
ミネルヴァ… 力を合わせて、 一緒に乗り越えよう!!と
【ミネルヴァ】 !!
【ミネルヴァ】 力を合わせて…一緒に…
【ミネルヴァ】 それは… 私を信頼してくれている証… すなわち…
【ミネルヴァ】 必ず仲間を助け出してくれると 信じてくれている証だ!!
マスターの言葉に、 彼女のバイブスが共鳴した!
【ミネルヴァ】 くらえっ! 私の新たなる力を!!
【ミネルヴァ】 新技!! 『天地制す神撃の霊槍』―――ッ!!
彼女は新しく得た力で、 仲間の姫を助け出すのだった
そして戦闘も終わり、 日も暮れた草原
彼女はマスターに、 己の想いを語っていた
【ミネルヴァ】 ……いまだに信じられません
【ミネルヴァ】 個人をあえて自由にさせることで、 隊を成長させる… そんなことがあるなんて…
【ミネルヴァ】 でも納得しました
【ミネルヴァ】 みんな、 マスターとバイブスが共鳴し、 力を貰っていた
【ミネルヴァ】 だから、自由に 伸び伸びと戦っていたんですね
【ミネルヴァ】 絶対に守ると言ってくれる マスターに… 命を預けていたんですね
【ミネルヴァ】 また一つ… 真理に近づきました
【ミネルヴァ】 …ですが
自分の胸を抑え、彼女が呟く
【ミネルヴァ】 この… バイブスが共鳴するという 感覚…
【ミネルヴァ】 私はまだ… 正直、混乱しています
【ミネルヴァ】 でも…この力のおかげで、 新しい力が発揮できたことは確か
【ミネルヴァ】 だから…
【ミネルヴァ】 この力がなんなのか… これから見定めさせてもらいます
【ミネルヴァ】 マスター、あなたのそばで
そう言って、 彼女が初めて微笑んだ
それはミネルヴァが初めて、 マスターに心を許した瞬間だった
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