330282212 ヘレナ バレンタイン 本音に甘さを添えて
【ヘレナ】 ねえ、先輩… ヘレナは大事な実験中なんだ 集中したいから外で待っていてくれ
惚れ薬のことを知られたくない ヘレナは、マスターを外に締め出す
そして、実験を再開するが、 期待通りの結果が出ない
【ヘレナ】 おかしいぞ… ヘレナの計算では、 うまくいくはずなのに…
【ヘレナ】 この薬品を多めにしてみるか? これと、これと、あとこれも…
【ニール】 ヘレナ! 最後の薬品は混ぜちゃダメ!
【ヘレナ】 …え? うわっ!
ヘレナの持っている試験管から 白い煙があがり始める
【ニール】 爆発するわよ! 早く投げなさい!
ヘレナは間一髪で試験管を手放し、 爆発の直撃は免れた 実験室にもそれほど被害はないようだ
【ヘレナ】 ふう…危なかった 音は大きかったが、 それほどの威力ではなかったな…
爆発音を聞いたマスターが まだ煙っている実験室に飛び込み、 ヘレナを大声で呼ぶ
【ヘレナ】 先輩、ヘレナは大丈夫だ! ちょっとした事故だよ、心配ない
マスターはヘレナに駆け寄り、 無事でよかった、驚いたよ と、ヘレナの頭をぽんぽんと叩いた
その時、ヘレナは急に顔が熱くなり、 思わずマスターから顔を背ける
【ニール】 ゴホッ!アタチも無事よ! だれも心配してくれないけど
【ヘレナ】 ああ、ニール! ヘレナは心配していたよ、本当だ …くふっ
【ニール】 まったく… あら、ヘレナ? 顔を赤くして、どうしたの?
【ヘレナ】 うん? 顔が赤いって? …そんなはずはないけど?
【ヘレナ】 さてと、かなり材料が 吹っ飛んでしまったな これでは実験ができないぞ
【ヘレナ】 材料を調達してこないとな… 先輩も来るかい? かなり危険だけどね…くふっ
【ヘレナ】 先輩、大丈夫かい? 無理してついてこなくても よかったのに…
でもヘレナが心配だから、と マスターは言う
【ヘレナ】 ふふっ… この屋敷はよく知っているさ 目をつぶっていても歩けるよ…
【ヘレナ】 さあ、この部屋だ お目当てのものがあるといいんだが…
その部屋には、たくさんの瓶や箱が 並べられていた どれも薬品や食材のようだった
【ヘレナ】 よし、あったぞ… ニール、そっちはどう? 使えそうなものはあるかい?
【ニール】 ええ、高価そうなものは 全部もらっておいたわ
【ヘレナ】 さすがニールだ… では、そろそろ行くとしよう ほら先輩、落とすなよ?
マスターは荷物を持って ヘレナについていくが、歩くたびに 薬の瓶がカチャカチャと鳴ってしまう
【ニール】 マスター… そんなに音を出したら 兵士に見つかってしまうわ
【ヘレナ】 仕方ないさ、この量だからね… 先輩、あと少し頑張ってくれ 無事に帰れたらご褒美があるかもよ…
【ケイオスリオン兵1】 おい、止まれ! お前ら、屋敷でなにをしている!?
【ケイオスリオン兵2】 その荷物もあやしいな おら、見せてみろよ!
【ヘレナ】 おっと、残念… 見つかってしまったか
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