33031121 カシウス・獣刻・ウロボロス 不変の円環
マスターの隊に 新たに入隊した姫、 カシウス
【カシウス】 変革の槍、 その真価をここに示すっ…!
戦闘に出ると、 毎回とてつもない 戦果を挙げる
【カシウス】 わたしの価値は…示せた?
相当な実力を持つ彼女
だが、普段はどこか 浮世離れしていると言うか…
【カシウス】 戦いも円環の因子の一つ…
【カシウス】 始まれば、終わり、 終われば、またどこかで始まる… ただ、それを繰り返すだけよ
俗に言う『不思議ちゃん』だった
【カシウス】 不思議ちゃん…? なに、それ?
なので入隊以来、 隊の姫ともずっと 少し距離のある状態
そんな彼女、休みの日は…
【カシウス】 ………
隊の姫たちをぼんやりと 眺め過ごしている
なに見てるの? マスターが尋ねると、 彼女は…
【カシウス】 この隊のまとまりは…なに? それぞれが違うのに… 皆が同じ方向を向いている
【カシウス】 わたしの眼も使わずに、 なぜそんなことができるの?
と、つぶやく
それに対し… 確かに、みんなバラバラの 個性の持ち主なのに、
ここぞという時は驚くくらい 強くまとまる、不思議だよね …とマスター
【カシウス】 ………
彼女は無言のまま、 マスターの顔をマジマジと 見つめるのだった
また、ある休日では――
【カシウス】 ………
無言のまま、 台所で料理を 作っている彼女
料理作るの、好きなの? マスターが尋ねると、
【カシウス】 料理は趣味…作って消費され… その連続に輪廻を感じるの、 だから好き
と、また不思議な答えが返ってくる
一口食べてみるマスター
【カシウス】 この世のすべては円環の因子… 料理もまたそれを実感させてくれる
作るのが好きなだけで、味は普通 彼女は単純作業を好み、 味の向上を求めていないのだ
【カシウス】 単純な繰り返し作業をしていると、 なにも考えなくていいから楽、 だからこれでいいの
そう話す彼女に、 本気でそう思ってるの? と尋ねるマスター
【カシウス】 ………
【カシウス】 ええ、そうよ
素っ気ない返事が戻ってくる
【カシウス】 ………
しかしマスターは、 彼女の瞳の奥に陰りのようなものを 見つけていた
そんなある日、 マスターは隊のみんなで、 ピクニックに行こうと提案
【カシウス】 ……ピクニック?
特に興味のない顔をしていた 彼女だが、マスターから…
【カシウス】 お弁当係…? わたしが……?
【カシウス】 引き受けてもいいけど… 味は普通よ
かくしてカシウスは、 みんなのお弁当を作ることに なったのだった
Next: 33031122