33031122 カシウス・獣刻・ウロボロス 円環からの脱却
【カシウス】 ………
無言のまま、台所で みんなのお弁当を作っている カシウス
そんな彼女を手伝うマスター
景色のいい場所でみんなと食べたら、 いつもよりおいしく感じるよ …と楽しそうにマスターが語る
だが彼女は…
【カシウス】 作って、食べる…それだけのこと ただの円環の因子の一環よ
そう返す彼女に、 マスターは尋ねる
この前は答えてもらえなかったけど… 君が単純な繰り返しを… “円環”を好むのはなぜ?…と
【カシウス】 別に理由なんてないわ
でも見えるんだ…円環を見つめてる 君の瞳の奥に…黒い陰のようなものが …と伝えるマスター
【カシウス】 ……人のことを 不思議ちゃんとか言うけど…
【カシウス】 御館様も相当、不思議な人ね
【カシウス】 いいわ、わたしが “円環”を好む理由… 教えてあげる
彼女が己の過去を語り出した
【カシウス】 わたしはある国の王だったの
【カシウス】 その時に…“過ち”を犯した
【カシウス】 やろうとしたことは 間違っていないけど、 やり方は間違えたと思ってる…
【カシウス】 だからそれ以来、 考えるのをやめてしまった… もう過ちを犯さないために
本当はそれだけじゃないんじゃない? と尋ねるマスター
【カシウス】 どういうこと?
答えるマスター… 君は過ちを後悔しているから、 円環の中に逃げ込んでいる
なにも考えなくていいから楽、 っていうのは新しい挑戦をせず、
繰り返しの中に 安心を得ようとしているから
だから、そこから逸脱するような 行動をしようとしないんじゃない? …と
【カシウス】 ………
マスターの顔を マジマジと見つめる彼女
【カシウス】 そうだとしたら… わたしはどうすればいいと思う…?
その問いに対しマスターは… いつも通りじゃなく、新しいことに 挑戦すればいい…と答える
【カシウス】 新しいこと…?
新しいメニューだけで、 お弁当を作ってみよう! と笑顔で提案するのだった
【カシウス】 !
【カシウス】 ………
マスターの顔を マジマジと見つめる彼女
【カシウス】 ………ぷっ
【カシウス】 どんな大きなこと 言うのかと思ったら… 挑戦って、そういうことなの?
マスターの答えに、 思わず吹き出してしまった彼女
【カシウス】 御館様がそう言うのなら、 やってみるわ 新しいメニューで
と、彼女が初めて円環から抜け、 弁当を作ろうとした矢先…
【カシウス】 ……?
なにやら外が騒がしい
敵の大群が現れたのだ
【カシウス】 そっか… せっかくの機会だし…
【カシウス】 円環から抜け出す… そんないつもと違う 戦い方をしてみるわ
彼女が槍を手にした
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